講義情報
講義名: 数学
教員: 紙本 裕一
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:月曜 4時限
授業のテーマと目標
学校教育を通じて「数学=計算する」もしくは「数学=証明する」という観念を持つ人は多いかと思います。ですが、本当に大事なのは「考えることの意味」や「人間の固有性」を探究する際に数学が根付いていることであり、心理学を含めた学問の根幹(哲学)に数学があることを知ることではないでしょうか。本講義は、思考形式の探究に向けた内容を展開します。キーワードは「パターン」「思考形式」「模倣」です。本講義は算数とつながっています。
学士力
【汎用的スキル】
A-1 自分の意見をわかりやすく伝えることができる。
E-14 目標を設定し、自ら進んで取り組むことができる。
【専門的スキル】
H-2 人の行動や言葉の深い意味を理解できる。
M-31 他者に情報を適切に伝達する素材をつくることができる。
授業の内容と計画

 

1 自分の思考形式のパターン化①(折り紙での正多面体の作成)
2 自分の思考形式のパターン化②(折り紙を使った幾何模様の作成)
3 自分の思考形式のパターン化③(タングラムを使った04の作成)
4 自分の思考形式のパターン化④(タングラムを使った59の作成)
5 自分の思考形式のパターン化⑤(オリジナルタングラムで数の作成)
6 自分の思考形式のパターン化⑥(シルエットから四つ折りの切り絵)
7 自分の思考形式のパターン化⑦(シルエットから八つ折りの切り絵)
8 自分の思考形式のパターン化⑧(シルエットから八つ折りの切り絵)
9 自分の思考形式のパターン化⑨(シルエットから十折りの切り絵)
10 自分の思考形式のパターン化⑩(ひと裁ち折りでAHを作る)
11 自分の思考形式のパターン化⑪(ひと裁ち折りでIMを作る)
12 自分の思考形式のパターン化⑫(ひと裁ち折りでNTを作る)
13 自分の思考形式のパターン化⑬(ひと裁ち折りでUZを作る)
14 自分の思考形式のパターン化⑭(ひと裁ち折りで動物を作る)
15 思考形式のパターン化についての理論とまとめ

※本講義は計算をメインに置いた講義ではなく,パズルのような内容を扱う講義です。
※毎時間はさみが必要になります。
学習者の履修状況や学習の進捗に応じて内容や進度を変更する場合があります。

事前学習・事後学習
この講義では事前に教科書を読んでおくことを強く推奨します。
理解を助けるという意味でも参考書も併せて読むのが理想的ですが,
教科書単体だけでも意味が変わります。恐らく何も読まないで
講義を受けるとちんぷんかんぷんになるように思います。
アクティブラーニングの実施
その意味で自主的に読むことをしなければならないことは必然的ですから
それをアクティブだと言えばアクティブラーニングになるでしょう。
外化だというのであれば,授業そのものが外化を常に要求しますので
条件も満たすかと思われます。
ICTの活用
PCはあまり使わないつもりですが,IPEVOは活用します。
また,本講義ではクリッカーを試験的に使用します。
実務経験を生かした授業の実施
哲学的な内容なので実務経験と直接的な関連性が,常に発生しているということは難しいかもしれません。ですが,日常生活に還元するという点では,実務経験「に」生かされるかもしれません。
成績評価方法と基準
毎時間の小レポート:15%、期末試験:85
学生へのメッセージ
単位が欲しいだけの学生は、この講義は履修せずに他の講義の履修を強く推奨します。
オフィスアワー
基本的には研究室(A215)にいます。
何かあれば、講義後や講義終了時に配布する小レポートに記述してください。
教科書・参考書
教科書
加藤文元 「数学する精神-正しさの創造,美しさの発見」 中公新書
 ISBN:978-4-12-101912-7
参考書
 ①深沢真太郎「論理ガール:人生がときめく数学的思考のモノガタリ」,実務教育出版,2018年
 ②NHK『ロンリのちから』制作班「イラスト・ストーリーで身につくロンリのちから」,野矢茂樹監修,三笠書房,2015年
その他
もしも計算が数学のすべてであるとするならば,それはとてもなく偏った見方なのかもしれません。人間とは何なのかを探究する活動はとてつもなく広く,本講義ですべてが網羅できる訳ではありません。本講義が終わったとしても,あくまでも入口の第一歩に足を踏み入れたという感覚でいて欲しいです。