講義情報
講義名: 言語学
教員: 田中 真奈美
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:金曜 5時限
授業のテーマと目標

授業概要

私たちの多くは、あたりまえのように日本語を使用し、日本文化にもとづいたふるまいをよしとしているが、こうした共通の言語や文化のあり方に目を向けていく。かつて近代国民国家は、共通の言語や文化をつくりだすことによって、国家としての基盤を築いてきたが、今日、多くの国々では、その言語と文化の共通性が揺らいでいる。国語や公用語以外の言語を母語とする人々や、普遍的とみなされてきた文化とは異なる文化を身につけた人々と、ともに暮らす機会が増えてきたからである。欧米諸国はもとより日本でも、多様な言語や文化とどのような折り合いをつけていくのかが、問われている。そこで、この講義では、人をつなぐものであるとともに人を分かつものでもある、言語や文化の役割について考察していきたい。
授業の進度によって順番や内容を一部変更する場合がある。

授業の具体的目標

この授業は修行的な側面をあわせもつため、受講に際しては自己鍛錬ともいうべき相当の意識向上を要する。まず、テキストの講読と副教材による学習という厳格な二つの目標に沿って進めていく。第一の目標であるテキストの講読では、黒田龍之助『はじめての言語学』の講読を通して、私たちにとっての言語と文化の意味について理論的な考察を深めていく。この作業においては、各自に逐次レポートの提出を課す。第二の目標である副教材による学習では、授業時に配布するプリント教材や授業時に視聴するビデオ教材を通して、多様な言語と文化のありようについて学んでいく。

 

学士力
【汎用的スキル】
【社会性】
6. 自分と周囲の人々や物事の関係性を理解する。
【受容性】
10. 意見の違いや立場の違いを理解し。受け入れる。
【倫理観】
11.  自らを律して行動できる

授業の内容と計画
第1回 講義内容の説明とオリエンテーション
第2回 言語学をはじめる前に①  言語学とは?
第3回 言語学をはじめる前に②  言語学のポイント
第4回 言語学の考え方①     記号と体系
第5回 言語学の考え方②      言語の分け方 文と単語 
第6回 言語学の聴き方①     IPA
第7回 言語学の聴き方②     音声と音韻
第8回 言語学の捉え方①     文法と文法書
第9回 言語学の捉え方②     言語の仕組み
第10回 言語学の分け方①     語族
第11回 言語学の分け方②     言語の変化
第12回 言語学の使い方①     絶滅する言語
第13回 言語学の使い方②     言語の優劣
第14回 言語学の使い方③     言語が学ぶことの意義
第15回 総括 理解度確認テスト
授業の進度によって順番や内容を一部変更する場合があります。
事前学習・事後学習
規定された授業時間は 1 回 120 分であり、90 分の授業時間に加えて、予習や復習などの学修を含んでいます。従って、授業以外に事前の予習や事後の復習、課題やレポート作成などの授業以外の学修時間が必要です。そのため、毎回、30 分間は、教科書を読むなどの事前学習をしてください。また、30分間程度の復習が必要です。
アクティブラーニングの実施
毎回授業の最初に、前回の復習を兼ねたディスカッションをペアで行います。その後、各ペアの意見を発表してもらいます。
成績評価方法と基準
授業への参加度(課題の提出、出席、授業態度など)(50点)と学期末試験(50点)で評価する。
出席:単位修得上、原則として3回以上の欠席は認められない。
アサインメント(課題):計10回程度のレポート課題が出される。
学期末試験:学期後半に詳細を提示する。
学生へのメッセージ
 本科目の単位修得に際しては、学生生活における十分な努力・忍耐を要するといえる。しかしながら、そのような困難を通じてこそ文献講読の基本的な技法や理解を身につけることが可能となり、と同時に、異なる言語や文化を背景とする他者への理解が深められるといってよい。そのような高い認識と自覚を有する学生諸君の受講を待っています。
授業以外に事前の予習や事後の復習、課題やレポート作成など授業以外の学修時間が必要になりますので、計画的に学修を進めてください。
チャイムが鳴ってから20 分以上の遅刻は原則として欠席扱いとなります。


オフィスアワー
場所: 407研究室    
時間: 
(なるべく事前にアポをとってください)
教科書・参考書
教科書:
郭 潔蓉、田中真奈美、金塚基 『グローバル教育の現在』 (ムイスリ出版株式会社)


参考書:
黒田龍之助 『はじめての言語学』 (講談社現代新書)