講義情報
講義名: 脳科学①
教員: 柴 玲子
単位: 2
学部:
カテゴリ: 一般教育科目
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:火曜 3時限
授業のテーマと目標

<授業概要>
近年、脳が心の基盤であることが明らかにされてきました。本講義では、まず脳科学がどの様に発展してきたかについて学びます。次に脳の構造と機能について概説し、さまざまな高次脳機能を支えるしくみについて学びます。さらに、このようにして得られた脳の知識が、医療など社会にどのような影響を及ぼしているかを考えます。

 

 <授業の具体的目標>
1.脳と心の関係の認識の歴史を知る
2.脳の基本的構造とその研究方法を知る
3.感覚・運動のしくみや知能などの高次の脳のはたらきを知る
4.脳科学の社会的影響について考える

学士力
「汎用的スキル」
1. 自分と周囲の人々や物事の関係性を理解する。 
2. 獲得した知識・技能・態度等を総合的に活用し、課題に適用し、解決する 。
3. 情報や知識を多角的・論理的に分析し、表現できる。
「専門的スキル」
1. 人の行動や言葉の深い意味を理解できる。 
2. 子どもの行動を把握し、分析・考察できる。
3. 人間の成長発達を理解できる。

授業の内容と計画

第1回  脳と心の関係の歴史
まず、講義全体の概要、講義の進め方、成績の採点方法について説明します。脳と心の研究について、古代ローマから19世紀、現代の神経科学までの歴史を学びます。

第2回  脳のはたらきを調べる方法
脳のはたらきをしらべるために使われる方法について学びます。ニューロンのはたらきを調べる方法や、脳の活動を可視化する方法について学びます。    

第3回  脳の基本的構造を知る
脳全体の構造について学びます。さらに、ニューロン(神経細胞)とグリア細胞について学びます。

第4回  神経細胞(ニューロン)の活動を知る
ニューロンの情報伝達のしくみについて学びます。ニューロンの活動電位とシナプス伝達について学びます。

第5回  感覚(視覚・聴覚)
私たちのまわりの環境の情報を知覚し認識するしくみを学びます。視覚、聴覚、平衡感覚について学びます。

第6回  感覚(味覚・嗅覚・体性感覚)
私たちのまわりの環境の情報を知覚し認識するしくみを学びます。体性感覚・味覚・嗅覚について学びます。

第7回  運動コントロールのしくみ
運動を行うしくみを学びます。階層化された3つのレベルの運動コントロールについて学びます。

第8回  情動と感情
情動と感情のしくみについて学びます。大脳皮質から自律神経系まで広範囲にわたる神経系の活動について学びます。

第9回  脳の進化と発達
複雑な神経系の構造や回路がどのようにつくられているのかを学びます。神経系の回路が神経活動によって再構築されるしくみについて学びます。

10回  学習・記憶による脳の変化
学習と記憶のしくみについて学びます。記憶の種類と関連する脳のはたらきについて学びます。

11回  ことばと音楽のはじまり
言語と音楽を処理するしくみについて学びます。言語と音楽の関連性について進化的な視点からも学びます。

12回  さまざまな高次脳機能(脳波のリズムと睡眠)
さまざまな高次脳機能のしくみについて学びます。脳波のリズムと同期、睡眠について学びます。

13回  さまざまな高次脳機能(動機づけ)
さまざまな高次脳機能のしくみについて学びます。行動を引き起こす力としての動機づけについて学びます。

14回  脳と心の病気
さまざまな脳と心の病気について学びます。病気の原因と症状、治療法について学びます。

15回  脳科学の社会的影響
脳科学の与える社会的影響について、医学や工学の分野の実例をみながら学びます。

定期試験

授業の進度によって順番や内容を一部変更する場合があります。

成績評価方法と基準

授業内に行う課題 50 %
授業への参加状況や態度 20 %
定期試験 30 %