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バイオの科学
講義情報
講義名:
バイオの科学
教員:
本間 篤
単位:
2
学部:
カテゴリ:
一般教育科目
開講情報
キャンパス:
開講時期:
春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:
月曜 5時限
授業のテーマと目標
シラバスをみて、授業を取ろうかどうかと考えているあなた。
「化学」と聞くと、化学式、化学反応といった難しいイメージを持つかもしれません。
しかし、この授業では、いわゆる”バケガク”ではなく、生命現象に焦点を当てたお話をします。
本授業では、
化学式、元素記号などの知識、molの計算力などは一切必要ではありません。
遺伝のこと、DNAのこと、医療や農業の最新技術のこと、犯罪者のDNA鑑定のこと、そんなことに少しでも興味のある人は是非履修してください。
この授業の目標は
生命はどのような物質でできているのか
生命を構成する物質は、からだの中でどのように活動しているのだろうか
遺伝情報は、どのようにして蓄えられ、どう伝えられるのだろうか
生命活動に必要なエネルギーは、どのように作られているのだろうか
など、「生命現象を化学的な観点から学ぶ」ことです。
「生命科学」「化学(バイオの科学)」に共通するテーマは”生命”です。
私たちは生物。
生物が生きようとするリアルな活動、それが生命。
地球上の全ての生物は、細胞という最小構成単位を持ち、太陽系の一つ、地球という惑星上に生きています。
そして、地球上に存在するあらゆる生物は、細胞という最小構成単位を持ちます。
細胞をよく観察すると、宇宙と非常によく似ていることに気が付きます。
太陽を中心に、惑星や衛星が活動する宇宙。
一方、核を中心にさまざまな細胞小器官(オルガネラ)が活動する細胞。
どちらも、たった一つの大きな中心があり、その周囲で小さな物体が活動している。
生命を学ぶことは、宇宙を学ぶことと非常に似ているといえます。
私たちがリアルに生きる現実。その現実の一つである、私たち自身の体を構成する生命がどのような現象なのかを学ぶことが、本授業の目標だといえます。
さて、「こどもの事、モチベーションの事を学ぶのに、生命なんて関係ない」
と思っているあなた。
実は、生命の中には、リアルな社会を見つめ、考える上での多くのヒントがあります。
例をあげましょう。
最近「経済成長が困難になっている」「過去のように、経済を成長させなければならない」ということを私たちはよく耳にします。
しかし、生命の本質を知っていれば、「一つの個体が成長し続ける」という考えそのものがナンセンスだとわかります。
そもそも、ヒトを含む多くの生命には寿命がある。
よって、今この地球上で、一つの個体である生命体が成長し続けることはそもそもできない。
成長が困難なのであれば、新しい次世代の生命を作り、新たな生長を促すしかない。
生命の知識を応用すれば、今、私たちがリアルに生きている社会を一つの個体に例えれば、それが成長困難になっているならば、それは寿命であり、新しい社会モデルに切り替え、再度ゼロからの成長を生み出す必要があると気づきます。
もしかすると、今がちょうど切り替えなくてはならない時期なのかも知れませんね。
「生命科学」「化学(バイオの科学)」では、こうしたヒントをたくさんあなたへ与えたいと考えます。
また、21世紀に輝く科学技術は生命に関するものが中心となるでしょう。
2012年、iPS細胞の研究で京都大学の山中教授がノーベル賞をとったように、今後生命を利用した新たな科学技術がたくさん誕生します。
本授業で学んだ知識は、あなたが今後、これらの科学技術を利用する時、その原理の理解に役立つはずです。
学士力
A【社会性】-6. 自分と周囲の人々や物事の関係性を理解する
(例)他の生命、自然およびそれらを構成する物質、現象と人間自身のつながり、関係性を理解できるようにする
D【倫理観】-1. 自らを律して行動できる
(例)授業時間内に、他者との関係性を意識しながら、よりよい授業環境づくりに学生自らが参加できるようにする
E【生涯学習力】-2. 目的を設定し進んで取り組む
(例)15回の授業において、単位修得試験(定期試験)に向けて少しずつ学習内容を復習しながら、理解度を高められるようにする
授業の内容と計画
イントロダクション
生命の構成成分と特徴、役割
遺伝子の解明①~遺伝子、DNAとその歴史~
遺伝子の解明②~転写と翻訳、セントラルドグマ~
生命を構成する化学①~炭水化物~
2~5回の振り返り、映像資料
生命を構成する化学②~脂肪~
生命を構成する化学③~ビタミン~
生命を構成する化学④~ミネラル・その他~
生命を構成する化学⑤~タンパク質~
7~10回の振り返り、映像資料
セントラルドグマ①~転写と翻訳の具体的なメカニズム~
セントラルドグマ②~コドン表と遺伝子工学~
遺伝子工学各論~身の回りのさまざまなバイオテクノロジー~
12~14回の振り返り、映像資料
定期試験は定期試験期間内に実施する予定です。
成績評価方法と基準
毎授業の最後に、当日の授業内容を確認する「理解度テスト」を行います。
「定期試験」「理解度テストの平均」を4:6で点数化し、これに出席率を乗じたものを成績に用います。
遅刻者、授業中に無断退室した者が判明した場合は、減点および欠課扱いとします。
学生へのメッセージ
授業内で、以下の約束事を守れる自信のある人が履修してください。
授業中、携帯電話やスマートホンを触らない
授業中、不要な私語をしない
授業中、物品の貸し借り等で物品を投げない
授業中、居眠りしない
指定された座席に着席する
授業後、机の上をきれいにしてから退室する
オフィスアワー
月曜授業後 17時40分以降とします。
その他
履修者数が増えた場合、以下の通りとします。
席は指定にします。
出席カード等のチェック、理解度テスト回収および並び替え等を担当する「授業アシスタント」を募集します。
授業アシスタントは、成績評価の際に考慮します。
参考URL
JT生命誌研究館 /
http://www.brh.co.jp/
理化学研究所 /
http://www.riken.jp/index_j.html
三菱化学生命科学研究所 /
http://www.mitils.co.jp/
Nature Ajia-Pacific /
http://natureasia.com/japan/http://natureasia.com/japan/
ニュートンプレス /
http://www.newtonpress.co.jp/
Lifestudies.org /
http://www.lifestudies.org/jp/
その他、授業内でもいろいろ紹介する予定です。
教科書・参考書
「バイオの科学」/本間篤/ 東京未来大学/参考書
「生命とは何か、いかに進化してきたのか」/ニュートンプレス/参考書
「生命の設計図 その仕組みと正しい読み方」 /ヤン・ウィトコウスキー、ローリー・グッドマン、デイビッド・スチュワート/ニュートンプレス/参考書
「Quizでわかる生物―なぜ?がわかれば面白い」/入江ひな子/ベレ出版/参考書
「好きになる人間生物学」/吉田邦久/講談社サイエンティフィク/参考書
「遺伝子の技術、遺伝子の思想―医療の変容と高齢化社会」/広井良典/中公新書/参考書
「アポトーシスとは何か―死からはじまる生の科学」/田沼靖一/講談社現代新書/参考書
「生命観を問いなおす―エコロジーから脳死まで」 /森岡正博 /筑摩書房/参考書
「無痛文明論」/森岡正博/トランスビュー社/参考書
「弱くある自由へ―自己決定・介護・生死の技術」/立岩真也/青土社/参考書
「良い死」/立岩真也/筑摩書房/参考書