講義情報
講義名: T6-生命科学
教員: 本間 篤
単位: 2
学部:
カテゴリ: 一般教育科目
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:
授業のテーマと目標

授業のテーマと目標  テーマは次の2つである。
  1. 「生命」とは何かを知ること
  2. 生命現象を理解し、その知を基に人間自身、あるいは社会現象を、「生命」の視点から見つめられるようにすること

地球上に存在するあらゆる生命は、細胞という最小構成単位を持つ。
そして人間もまた、他の全ての生命と同じように、細胞をもつ仲間である。
よって人間自身を、そして人間が作り出す社会現象を理解する上で、生命の基本単位である細胞を知らずに理解するのはナンセンスだと私は考える。

このように書くと、違和感を持つ人もいるかも知れない。
なぜ、生命や細胞を学ぶことが、人間自身や社会現象を理解することにつながるのか、と。
生命科学と人間社会が結びつくなどありえない、そう考えるかも知れない。

生命科学者、あるいは少しでも生命を学んだことのある人間の多くは、社会に起きている現象を、生命現象と例えて考える。

そう、生命、細胞の中に、社会現象を理解する上でのキーワードがたくさん隠されているのだ。
たとえば適者生存の原理もそう。
実は、生命現象には「強いものだけが生き残る」ことはありえない。
それがなぜか、生命現象を知ればちゃんと理解できる。

このような点を意識して、生命科学の授業を展開していきたい。

目標は以下の2つとしたい

  1. 「細胞」「増殖」「遺伝」の三つのキーワードを基に、生命を理解する
  2. 生命の知から、現代社会に生きる私たちが何を活かすことができるかを考える
授業の内容と計画


教科書に従い、以下の順で学習を進めてください。なお、テキストに修正箇所があるので、こちらも必ずチェックしてください。

第1章 生命の誕生と進化を探る

  1. 生命の起源と論争

  2. 生命の誕生、そして共生へ
  3. 地質時代から人類の登場へ
  4. 進化のしくみと進化説

第2章 細胞から生命を捉える

  1. 細胞は生命の営みの工場である
  2. 原核生物から38億年前の生命のようすがうかがえる
  3. 細胞は自分の力で自分を増やす
  4. 細胞があつまって個体が形成される
  5. 細胞にも寿命と死がある

第3章 健康を生命科学で読み解く

  1. 健康を脅かすもの~ストレス~
  2. 私たちの健康を守る3つの器官
  3. 3つの器官が連携してストレスに立ち向かう
  4. 過度なストレスはストレス病を招く

第4章 病気を生命科学で読み解く

  1. 神経細胞とうつ病
  2. 膵臓の細胞と糖尿病
  3. 免疫細胞とアトピー性皮膚炎
  4. 免疫細胞とエイズ

第5章 染色体からわかること

  1. 染色体からダウン症を理解する
  2. 染色体から老化がみえる
【テキストの修正箇所】
①p37 図2-5の説明
× 「・・・・S期は分裂期であり」→ ○ 「・・・・M期は分裂期であり」

②p98 本文10行目
× 「健康なヒトの膵臓α細胞では」→ ○ 「健康なヒトの膵臓β細胞では」

③p116
表4-10「感染症の種類」はテキスト作成時のものであり、現在は変更になりました。
現在の法律上の分類はウェブサイト等を参考にしてください。
参考例「厚生労働省 検疫所」http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/page_i/page_i.html


成績評価方法と基準
  1. 中間試験(50%)・・・第1章~第2章
  2. 単位修得試験(50%)・・・第3章~第5章

場合によっては課題を出すこともあります。

 

学生へのメッセージ
 
生命科学のテキストには、健康のこと、身近な病気のこと、人間の誕生や老化、死に関することを取り上げました。

生命に関する知を基に、自分自身で

  • 生命とは何か
  • 人間とは何か
  • 私たちの生きる社会はどうあるべきか

について考えてもらうこと、それが授業の目的です。

社会人のみなさんの中には、高校時代に学習した理系科目(生物など)の記憶が乏しい方もいるかも知れませんが、能動的な意欲さえあれば、ちゃんと単位を修得できるはずです。
分からない点、質問点などがあれば、遠慮なく掲示板やメール(honma.atsushi@tokyomirai.jp)等を活用してください。

 

オフィスアワー
通学制の開講期間中は、通学制、通信制ともに

月曜4限(14:30-16:00)
をオフィスアワーとします。

授業準備等で席をはずすこともありますが、原則として、通学制の授業期間中は、この時間に非常勤講師室にいます。
直接電話などで質問したい場合、来校して直接質問したい場合などは、この時間を利用してください。
その他
この科目は第6タームの科目です。
参考URL

【生命そのものに関して】

【生命と倫理に関して】

教科書・参考書

※教材一覧表をご参照ください / 教科書
・生命の設計図 その仕組みと正しい読み方 / ヤン・ウィトコウスキー、ローリー・グッドマン、デイビッド・スチュワート / ニュートンプレス / 参考書
・「カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学」:講談社ブルーバックス;参考書 
・「カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学」:講談社ブルーバックス;参考書
・「カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第3巻 分子生物学」:講談社ブルーバックス;参考書

・「生物と無生物のあいだ」:福岡伸一:講談社現代新書;参考書
・「アポトーシスとは何か―死からはじまる生の科学」:田沼靖一:講談社現代新書;参考書
・「生命観を問いなおす―エコロジーから脳死まで」:森岡正博:筑摩書房;参考書
・「弱くある自由へ―自己決定・介護・生死の技術」:立岩真也:青土社;参考書
・「ALS  不動の身体と息する機械」」:立岩真也:医学書院;参考書
・「生命倫理とは何か」:市野川容孝:平凡社;参考書