講義情報
講義名: T7-現代社会と倫理
教員: 渡邊 智寛
単位: 2
学部:
カテゴリ: 一般教育科目
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:
授業のテーマと目標
授業概要:
倫理学全体の概要を知り、それに基づき現代社会が抱えるさまざまな倫理的問題を考える。

授業の具体的目標:
社会に散見される倫理的問題への対応力・思考力の形成を目指す。
基礎的な倫理学の諸問題について、どのような立場がどのような考えに基づいて主張されているのかを知る。そのうえで、そうした諸問題を現実の社会に当てはめて考えてみる。長らく問われ続けてきた倫理的問題の多くが、現代社会においても未だ問題のままであることを理解する。
価値観の多様化が指摘される現代社会では、ほとんどすべての意思決定に倫理的側面が含まれながらも、何が“正しい”かを一義的に決定することは極めて困難である。しかしながら社会的相互行為によって社会生活が営まれている以上、そこには“正しさ”の一致点が存在しなければならない。本講義は、現代において主体的な思考による倫理的判断を下すための訓練となることを目指す。
学士力
B【市民性】―2.社会の発展のために、義務と権利を適正に行使しつつ、積極的に関与できる
C【受容性】―2.意見の違いや立場の違いを理解し、受け入れる
F【課題解決力】―3.情報を構造化し、分析し、評価し、統合し、論理的に活用する
G【創造力】―2.情報や知識を多角的、論理的に分析し、表現できる
授業の内容と計画
序.論理と倫理
01.道徳 ――あなたはなぜ正直なのか
功利主義と道徳の矛盾、、神秘的快楽主義、自己言及のパラドックス、など
02.文化 ――食べるとはどのようなことか
命の授業、犬食問題、文化相対主義の特徴、など
03.人命 ――いかに産むべきか
代理出産、生殖医療の可能性、ベビー・ビジネス、など
04.人権 ――どのように罰するべきか
死刑、応報主義と人道主義、正当防衛と予防主義、など
05.自由 ――何をしても許されるのか
犯罪更正プログラムと行動療法、売春、自己決定の揺らぎ、など
06.尊厳 ――いかに死すべきか
安楽死、自殺、普遍的道徳とパターナリズム、など
成績評価方法と基準
1.中間試験(100点)
レポート(テキストから任意のテーマを選択、その現状や問題の分析)

2.単位修得試験(100点)
レポート(中間試験レポートを土台に、自らの見解を説得的に論じる)

上記2つの総合点で成績評価。ただし、中間試験結果が60点未満の場合は、単位修得試験に進むことができない。
学生へのメッセージ
現代社会が抱えるさまざまな倫理的問題は、すなわちわたしたち自身の課題です。にも関わらず、省みられることが少ないように思われてなりません。みなさん自身が自らの問題としてそれらを考え、誰の物真似でもない意見を形成していただければと思います。テキストでは一貫して抽象的な議論が展開されており、少々難解な内容となっています。受講する場合は、その点に対する心構えと、質問や自主的な調査で理解を補う積極性が必要となります。
オフィスアワー
履修期間中の木曜13:00~14:30
教科書・参考書
【教科書】※教材一覧表をご参照ください。