講義情報
講義名: T2-国語表現
教員: 光野 公司郎
単位: 2
学部:
カテゴリ: 人間性の理解
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:
授業のテーマと目標

授業概要

 教科書に従い学習を進める。 
 本科目は、大学生活において研究発表や研究論文に必要な表現力、また、将来の社会生活において必要となる表現力を育成する。
 この表現力の根本となるものは、自分の考えや客観的な事実を筋道立てて正確に分かりやすく表現できる能力である。前半は、この根本となる能力の育成を中心とする。具体的には、日常言語レベルの論証の構造をもとにして表現していくことができる能力を育成していくことになる。形式的な論理構造の理解に終わらないよう、実際の表現を分析することを通して実感的に論理構造が捉えられるような流れとなっている。
 後半は、様々な表現形式に応じた実践的な表現力を育成することを目的とする。「表現形式ごとに表現の仕方に違いがあるのではなく、前半で学んだ論証の構造がすべての表現の中核となっており、それを応用していけばよいのだ」ということを捉えられるようする。前半と同様に、実際の表現を分析していくことを中心とする。

授業の具体的目標

1. これからの社会において必要な表現力について理解する。
2. 表現の根本となる能力(論証能力)について理解し、実の場で論証することができる。
3. 論証能力を中核とした様々な形式に応じた表現の在り方を理解し、実の場で用いることができる。

授業の内容と計画

1 国際化・情報化社会に対応するための表現
 1.1 英会話とインターネット
 1.2 表現の根本となる能力           理解度テスト(1)
2 日常言語レベルの論証の能力
 2.1 論理的思考力と論証の能力
 2.2 論理的思考力の基礎となる論証能力
 2.3 日常言語レベルの論証の特色
 2.4 日常言語レベルの論証の構造
 2.5 日常言語レベルの論証と科学の発達
 2.6 日常言語レベルの論証と社会の変容  理解度テスト(2)
3 日常言語レベルの論証の構造と様々な文種の関係性
 3.1 論証の発達段階
 3.2 三構造と文種の関係性           理解度テスト(3)
4 日常言語レベルの構造と一般的な構成との関係性
 4.1 一般的な構成「序論・本論・結論」の限界
 4.2 新しい構成「はじめ・なか・まとめ・むすび」の限界  理解度テスト(4)
5 説得力を高める構造
 5.1 主張を配置する順序
 5.2 具体的な事実を配列する順序      理解度テスト(5)
6 虚偽となる論証
 6.1 虚偽に陥りやすい2つのポイント
 6.1 虚偽に陥らないために           理解度テスト(6)
7 日常言語レベルの論証の価値
 7.1 具体的な事実の意味
 7.2 具体的な事実の価値            理解度テスト(7)

                           
*中間試験(範囲は第7章まで)

8 日常言語レベルの論証の構造による表現の実際
 8.1 論理的な表現(主張文)「包む」の分析 理解度テスト(8)
9 日常言語レベルの論証の構造を用いた表現の実際①
 9.1 レポートの書き方              理解度テスト(9)
10 日常言語レベルの論証の構造を用いた表現の実際②
 10.1 小論文の書き方              理解度テスト(10)
11 日常言語レベルの論証の構造を用いた表現の実際③
 11.1 論文の書き方                理解度テスト(11)
12 複数による表現の在り方
 12.1 話し合いの方法              理解度テスト(12)
13 表記等の基本
 13.1 漢字・送り仮名のきまり、外来語の使い方 理解度テスト(13)

                           
*単位修得試験(範囲はすべての章)

成績評価方法と基準

1. 中間試験     (50点)
2. 単位修得試験  (50点)

上記2つの総合点(100点満点)で成績をつける。

*ただし、中間試験において60パーセントに満たない場合は、その時点で不合格となるものとする。

学生へのメッセージ
 今まで受けてきた国語表現の授業(作文の授業など)では、内容面の指導(何を書くか)が多く表現の在り方や形式(どう書くか)の指導はあまりなされなかったのではないだろうか。また、皆さんはエッセイやレポート、スピーチやディベートなど表現形式ごとに異なる表現の能力が必要だと思ってはいないだろうか。
 論理的な表現の場においては、いかに形式が変わろうとも根本となる能力さえ身に付けておけばそれを応用するだけで的確に表現することができる。この根本となる能力をぜひとも身に付けてほしい。
 分かりにくいところや、疑問点があれば、オフィスアワーにどんどん質問をしていただきたい。電話でも、メールでもよいが、電話の方が話し合いができるのでよいと考える。
オフィスアワー
月曜日 16:00~17:30
その他
この科目は第2タームの科目です。
教科書・参考書
【教科書】※教材一覧表をご参照ください。