講義情報
講義名: 初等図画工作科教育法②
教員: 髙橋 文子
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:木曜 3時限
金曜 4時限
科目番号(科目ナンバリング)
XCKD318A

授業のテーマと目標
テーマ
図画工作科の「目標」「指導内容」「指導方法」「評価」を、児童の成長と表現の発達や「感性」及び「学び合い」の観点から捉え直し、表現及び鑑賞の活動を通したこの教科特有の意味や価値について認識を深め、授業設計、運営に必要な資質と能力を育成する。
目標
造形的な見方・考え方を働かせ、生活や社会の中の形や色などと豊かに関わることのできる具体的な題材を構想し、児童の主体的・対話的で深い学びの場を保障しながら授業を展開する指導力を育成する。・また、身につけるべき学士力の習得を目標とする。

卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP‐CP1  専門的知識と技能を身につけること。
DP‐CP3 資格に適う力を身につけること。
DP‐C2 教育・保育・福祉等に関する職能を身につけること。
DP‐C3 専門的知識・技能を利活用できる就業力を身につけること。

身につけるべき学士力
A-2:意見や立場の違いを理解し、受け入れることができる。
C-7:情報を構造化し、分析・評価・統合し、倫理的に活用できる。
D-10:既存の知識を活用して、新しい価値(アイデア、生産物、方法等)を生みだせる。
J-31:子どもの行動に対して、すばやく応じることができる。
J-36:保育・教育に必要な教材を創造・開発できる。
K-40:子どもの行動を把握し、分析・考察できる。
授業の内容と計画
第1回
図画工作教育の意義とねらい
第2回
子どもの造形表現と鑑賞の発達
第3回
図画工作科の学習指導と指導計画
第4回
模擬授業実践①:造形遊びをする活動と指導実践
第5回
模擬授業実践②:絵に表す活動と指導実践
第6回
模擬授業実践③:立体に表す活動と指導実践
第7回
模擬授業実践④:工作に表す活動と指導実践
第8回
模擬授業実践⑤:鑑賞の活動と指導実践
第9回
模擬授業実践⑥(低学年)
第10回
模擬授業実践⑦(中学年)
第11回
模擬授業実践⑧(高学年)
第12回
模擬授業実践⑨特色のある素材を用いて
第13回
未来の図画工作(現職教員の講話から)
第14回
総括,素材のよさを体感できる場づくり

定期試験:実施しない
※授業の進行によっては、変更する場合がありうる。


事前学習・事後学習
模擬授業実施に際して、事前にチームで指導案検討、材料、用具の吟味及び準備、板書構成の吟味等を行う。事後課題として、模擬授業を、教育内容(目標の難易度)、教材(用いた用具、材料のフィット感)、教育技術(導入、時間配分、板書を含めた環境など)、児童の受け止めの4側面から省察する。小学校ボランティア実習の学びと合わせて、よりよい導入の仕方や、児童の心に響く話しかけ方など、より実践に即した方法論を検討する。

自主学習ツールとして授業動画配信サービス「21CoDOMoS(トゥエンティワン・コドモス)」の使用を薦める。https://youtu.be/P4GIH6xc2kk

単位授与相当時間は2単位あたり90時間の学修が想定されています。(大学設置基準第21条)そのために、日頃から小学校教育への関心意欲を高め、継続した問題意識、疑問点をもって講義・演習に臨むこと。模擬授業の実施に当たっては、上記の準備を行うこと(事前学習の目安の時間は2時間程)さらに、講義・演習の中で学んだ内容については、整理し類型化を図り、自分の考察、分析、意見を盛り込んだ省察を記すこと。(事後学習の目安時間は2時間30分程)

アクティブラーニングの実施
・模擬授業において、児童の発達段階に合わせた五感に働きかける導入を工夫する。
・創作の演習において、自分の感覚,感情と材料との融合を図り,創造的な技能を習得する。
・グループワークとして、指導案立案、実践を行い、成果と課題を振り返る。


ICTの活用
・具体的作品例、資料などの提示や共有は、コンピュータやプロジェクターなどを用いて行う。
・授業において課題に関するリサーチのために、インターネットなどを活用して情報を収集したり、選択したりする。
実務経験を生かした授業の実施
実務経験:小学校教諭(図工主任)、中学校教諭(美術科)、足立区青少年課と連携した中高生のためのアートワークショップ講座の実施
実務経験を生かした授業の実施:造形美術活動の指導経験を生かして、子どもの描画の発達段階やそれらの背景にある造形美術に対する社会の考え方、文化的視点を事例を通して検討する。どのような材料、用具をどのように提供することが幼児、児童、生徒の造形的な資質や能力を培うのかその感性に働きかける場づくりを共有する。


SDGsに係る科目
目標:4「質の高い教育をみんなに」
ターゲット:4.1「2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。」
内容:この講義・演習では社会状況や幼児・児童を取り巻く環境の多様化を確認し、教育職に求められている使命感、「図画工作科」に関する高度の専門的知識と優れた技能の修得を目指す。

成績評価方法と基準
〈成績評価基準〉
S:到達目標を完全に達成している。 
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している。
C:到達目標を達成している。
E・F:到達目標を達成していない。 
〈成績評価方法〉
授業への取り組み(出欠、遅刻,受講シートの記述、作品など)30点,授業設計(模擬授業、指導案、省察など)40点、授業考察(指導案、総括レポート)30点とする。作品及びレポートは、ルーブリックを用いた評価を行う。 

試験・課題に対するフィードバック方法
提出される課題に対しては、授業内もしくはコルズを用いてフィードバックを行う。 

学生へのメッセージ
主体的に取り組み、疑問を感じたことは、早急に解決していくような授業全体の流れを作りたいと考えます。限られた時間でより多くの学びが得られるよう積極的に参加することを望みます。20分以上の遅刻は欠席とします。本授業では、実際の小学校の現場の具体的な実践に触れながら演習型の授業を行います。模擬授業実践においては、作品試作、指導案作成、板書計画や配布物の準備など、空き時間や昼休みを使って計画的に進めます。児童の願いの実現を図るよりよい授業を組み立て、授業者の意図をしっかりと伝えられるよう、パフォーマンス力向上を目指します。
オフィスアワー
水曜日12:30~13:00
遠隔の場合はコルズのフォーラムを使用する。

教科書・参考書
教科書:石崎和宏他 「初等図画工作科教育」ミネルヴァ書房(2018)
参考書:小学校学習指導要領解説図画工作編(平成29年3月告示)