講義情報
講義名: 心理的アセスメント②
教員: 井梅 由美子, 佐藤 亮太朗, 須田 誠, 坪井 寿子, 藤後 悦子
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:金曜 3時限
金曜 4時限
科目番号(科目ナンバリング)
XBID203A
授業のテーマと目標
テーマ
心理的アセスメントでは、心理的援助を行うための、人間の総合的理解のあり方について学ぶことを目的とする。授業では、まず、臨床心理学における心理的アセスメントの位置付け、意義について、基本的な点を理論面、実践面から解説する。その上で、心理的アセスメントを構成する、面接法、観察法、心理検査法の各方法における、基礎知識と技能について理論的、体験的に学習する。
目標
心理検査法については、発達検査、知能検査、性格検査(質問紙法・投影法・描画法)、作業検査の各領域の検査から、それぞれ具体的な心理検査を取り上げる。これらの各方法を学んだ上で、援助につながる心理的アセスメントの包括的理解の方法として、被援助者の特性にあわせたテストバッテリーや、検査所見の読みとり方、書き方について学ぶ。目標は下記の4つを理解することである。
1.心理的アセスメントの目的及び倫理 
2.心理的アセスメントの観点および展開 
3.心理的アセスメントの方法(観察、面接及び心理検査) 
4.適切な記録及び報告
※併せて、以下の「身につけるべき学士力」の修得が必要となります。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係

DP-CP1 専門的知識と技術を身につけること。

DP-CP3 資格に適う力を身につけること。

DP-P2 心理学に関する専門的知識と技術を身につけること。

DP-P3 心理職としての専門的知識と技術を身につけること。

身につけるべき学士力
E-11:自分の意見をわかりやすく伝えることができる。
G-19:自らを律して行動できる。
C-6:獲得した知識・技能を総合的に活用し、課題に適用し、解決できる。
H-24:心理学的な枠組みで人間の心の働きを理解できる。
H-22:子どもの多様な発達プロセスを科学的にとらえることができる。
授業の内容と計画

第1回・第2回 (須田誠、藤後悦子、坪井寿子、井梅由美子、佐藤亮太郎)ー心理的アセスメント①クラスとの共同開講ー
ガイダンス(須田誠)
アセスメントとは?(須田誠)
アセスメントの概要(坪井寿子)
アセスメントの領域紹介:医療(井梅由美子)

第3回・第4回(藤後悦子、須田誠、坪井寿子)ー心理的アセスメント①クラスとの共同開講ー
アセスメントの領域紹介 
教育-スポーツ(藤後悦子)
保育-教育(坪井寿子)

第5回・第6回(藤後悦子、須田誠、佐藤亮太郎)ー心理的アセスメント①クラスとの共同開講
アセスメントの領域紹介
教育・福祉-発達(佐藤亮太郎)
司法-犯罪・非行(須田誠)

第7回・第8回(藤後悦子、須田誠、井梅由美子)ー心理的アセスメント①クラスとの共同開講ー
インテーク・心理検査の実施から報告書作成までのプロセス(井梅由美子)
アセスメントから心理的支援へ(藤後)

第9回・第10回(藤後悦子、須田誠、佐藤亮太郎)ー心理的アセスメント①クラスとの共同開講ー
行動観察法(行動分析的アプローチ)(佐藤亮太郎)

第11回・第12回(佐藤亮太郎、藤後悦子、須田誠、坪井寿子、井梅由美子)ー心理的アセスメント①クラスとの共同開講ー
行動観察法(大課題)
大課題作成にあたっての指導

第13回・第14回 (佐藤亮太郎、須田誠)
発達領域におけるアセスメント(SP感覚プロファイル・ADHD-RS)(佐藤亮太郎)

第15回・第16回 (坪井寿子、須田誠)
知能検査(田中ビネー他)、認知機能検査(HDS-R他)(坪井寿子)

第17回・第18回 (須田誠)
性格検査 投影法(バウム)(須田誠)

第19回・第20回 (井梅由美子、藤後悦子)
性格検査 投影法(ロールシャッハテスト)(井梅由美子)

第21回・第22回 (藤後悦子)
職業検査(VIP等)(藤後悦子)

第23回・第24回 (井梅由美子、坪井寿子、須田誠)
性格検査(SCT、YG性格検査)(井梅由美子・坪井寿子)

第25回・第26回 (井梅由美子、坪井寿子、藤後悦子、須田誠、佐藤亮太郎)―心理的アセスメント①クラスとの共同開講―
ケースフォーミュレーション等(佐藤亮太郎)
妥当性と信頼性(坪井寿子)
効用と限界(藤後悦子)
テストバッテリー(井梅由美子)

第27回・第28回 (井梅由美子、坪井寿子、藤後悦子、須田誠、佐藤亮太郎)-心理的アセスメント①クラスと共同開講-
ワーク(藤後悦子)
倫理(須田誠)
レポート講評(佐藤亮太郎、井梅由美子、坪井寿子、藤後悦子、須田誠)

定期試験:実施しない


※授業の進行によっては、変更する場合がありうる。


事前学習・事後学習
事前学習:各講義の前にテキストの該当箇所を十分に読み込み、ノートに要約・整理する等の事前学習をして講義に臨むこと。(30分)

事後学習:講義で配布された資料を用いてしっかり振り返りを行い、要点やキーワードをまとめる等の事後学習をすること。(1時間)
アクティブラーニングの実施
教員が、適宜、資料を提示するので、主体的に予習をして授業に臨むこと。授業中に課題を提示するので、積極的に参加すること。また、授業中のみならず、CoLSのフォーラムにおいてもディスカッションやQ&Aを利用する場合があるので、積極的に討議・質問を発すること。授業中の小レポートやCoLSのアンケート機能等による課題は、一部オープンにする場合もあるので、お互いの内容を読み合い、授業中またはCoLSのフォーラム等で学生同士の質問や感想の表明など相互の学びを深めていくこと。
ICTの活用
インターネットとPCを介して、各種ソフトウェアを使用して授業を行う。レポートを作成する際にICTを用いる。コンピュータやインターネットなどを活用して、情報を収集し、レポートを作成すること。授業内で出席管理、資料配布などコルズを使用して実施する。
実務経験を生かした授業の実施
実務経験:学校臨床、発達相談、病院臨床、司法・矯正分野等での心理臨床
実務経験を生かした授業の実施各教員の医療保健・教育・福祉・産業・司法などの領域におけるアセスメントの実務経験を生かして授業を展開する。全回において実務経験の知見を活用する。
SDGsに係る科目
目標4.すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。

4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
成績評価方法と基準
1.レポート(各教員が指示したもの、60点)
2.授業参加:受講態度、発表、質問、議論への参加、コメントなど(40点)
上記2つの総合点(100点満点)で評価を行う。

*この授業は、実習形式の授業であるので、単位修得には以下の2点を条件とする。
①全回出席・無遅刻を基本とする。真摯な態度で授業に臨む。
②レポート提出は、課されたものすべての提出を必須とした上で期限内に提出すること(1本でも提出なし・提出遅延があれば単位修得ができない)。

 *授業時間以外に事後の復習やレポート作成などの授業以外の学修時間が必要となる。

*受講態度の不良(教科書忘れ、無断のスマートフォン使用、居眠りなど)は減点とする。

尚、成績評価基準は以下の通りである。
S 到達目標を完全に達成している。
A 到達目標をほぼ完全に達成している。
B 到達目標を十分に達成している。
C 到達目標を達成している。
E・F 到達目標を達成していない。
試験・課題に対するフィードバック方法
レポートにおける全体の傾向について講評をする。
学生へのメッセージ
この授業は、実習形式の授業であるので、単位修得においては、真摯かつ積極的な講義への参加が求められる。臨床現場においては、時として心理的アセスメントで用いる検査結果等が、対象者の人生を左右するとこともあるという認識に基づき、心理教育的援助を必要としている人々に対する総合的な理解がいかに大切であるか、その解釈の正確性ばかりではなく、面接・検査等実施者の人間性が問われるものであることを念頭に置いて、誠実、真剣な姿勢で、講義に臨まれたい。また、次週講義を受ける心理検査については、十分テキストを読み込んでおくこと。講義はテキストを読み込んであることを前提に実施する。この授業は実習のため、通常の時限通りに進行しない場合がある。そのため、授業前後の時間に余裕をもって臨むこと。

*実習の授業のため、必ずしも時限通りに進行するとは限らず、終了時間の延長もある。
*CoLSのお知らせやフォルダを必ず確認すること。
オフィスアワー
火曜日:5限
教科書・参考書
教科書:
心理アセスメント 心理検査のミニマム・エッセンス 心の専門家養成講座③  松本真理子・森田美弥子(編) ナカニシヤ出版 2018年


参考書:
心理検査の実施の初歩 願興寺礼子・吉住隆弘共編 ナカニシヤ出版 2011年