講義情報
講義名: 心理調査概論(モチベ)
教員: 長内 優樹
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:金曜 3時限
科目番号(科目ナンバリング)

XEMC206A

授業のテーマと目標
テーマ
本講義では、調査を実施する際の具体的な手続き(調査方法の決め方、ワーディング、調査票の作り方、実施方法)、データの収集と整理(コーディング等)、分析までの一連の流れを解説する。 特に、代表的な調査法の1つである質問紙調査法を取り上げ、実際に調査票を作成してデータ収集を体験し、卒業研究を実施する際の基礎力を固める。また報告書や論文執筆の基礎的知識を得ることも目的とする。
目標
1.学術的な調査の方法について、具体的な手続きを知る。2.質問紙調査実施の際の留意点を体験を通して学ぶ。3.調査で得られたデータの分析、その結果の記述(レポート・論文作成)、その報告(プレゼンテーション)の力を修得する。4.指定した学士力を修得する。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係

DP-M1-個人をみつめる力を身につけること。
DP-M2-他者と関わる力を身につけること。

身につけるべき学士力
L-46:客観的な視点で人間行動を理解し分析できる。
M-48:他者を肯定的に理解することができる。
M-49:対人コミュニケーション理論にもとづいたコミュニケーションができる。
M-51:他者に情報を適切に伝達する素材をつくることができる。
N-55:さまざまな実戦経験をもとに地域の人びとと連携できる。
授業の内容と計画
第1回
イントロダクション:調査の目的と様々な調査方法
第2回
調査企画と設計1:研究目的から調査方法を決めるまでの流れを知る
第3回
調査企画と設計2:仮説の構成
第4回
質問紙調査の実施方法1:調査対象者の決定方法(全数調査と標本抽出)
第5回
質問紙調査の実施方法2:様々なサンプリング方法(無作為抽出、層化抽出など)
第6回
質問紙調査の実施方法3:調査票の配布・回収方法、調査の依頼・実施における注意点
第7回
調査票の構成と質問文のつくり方1:質問文と調査票構成の注意点(キャリーオーバー効果、導入質問)と工夫(逆転項目、虚偽項目)を学ぶ
第8回
調査票の構成と質問文のつくり方2:様々な回答方法(評定法、一対比較法、多肢選択法など)
第9回
調査票の構成と質問文のつくり方3:研究目的に沿った質問文の作成
第10回
調査データの整理1:エディティング、コーディング方法、データの入力
第11回
調査データの整理3: データクリーニング、回収率および有効回答数、欠損値の扱い方、天井効果と床効果
第12回
研究目的(変数間の相関的関係、仮説)の検討
第13回
報告の仕方:レポート・論文への記述方法、プレゼンテーション
第14回
まとめ:調査結果の報告

定期試験:実施しない

※授業の進行によっては、変更する場合がありうる。
事前学習・事後学習
毎回の授業において事前学習と事後学習を要する。事前学習については、各回の授業内において次回の授業までに取り組んでもらいたい課題を出題する(およそ2時間程度の時間を要する)。課題の提出とそれへのフィードバックは次回の授業で行う。また、事後学習については、各回の授業後に内容の理解度を確認するための課題を出題する。提出は次回の授業時とする(課題にはおよそ2時間半程度の時間を要する)。
アクティブラーニングの実施
調査の計画・実施・分析・報告の各過程において、PBL(課題解決型学習) 、反転授業(知識習得の要素を授業外に済ませ、知識確認等の要素を教室で行う) 、ディスカッション、ディベート、グループワーク 、プレゼンテーション 、実習を適宜取り入れた授業を行う。
ICTの活用
学習対象への思考や理解を深めるために、適宜 ICT を用いて授業を行う。コンピュータやプロジェクターなどを活用して、資料などの提示や共有を行う。授業では、コンピュータやインターネットなどを活用して、情報を収集したり選択したりする。授業において PC 教室又は必携 PC を使用し、データ処理作業やネット検索などを行う。
実務経験を生かした授業の実施
実務経験:合同会社セカンダリー 心理学リサーチセンター
実務経験を生かした授業の実施第1回の授業において、社会における調査の役割について実例を交えて紹介する。
成績評価方法と基準
<評価方法>
成績(100点満点)は、以下2点から総合的に評価する。 1.課題への取り組み(授業内での演習への参加、課題等)50%、2.プレゼンテーションおよび最終提出レポート50%

<評価基準>
S:到達目標を完全に達成している。
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している
C:到達目標を達成している
E・F:到達目標を達成していない。
試験・課題に対するフィードバック方法
出題する課題の形式毎に、メール、紙媒体、口頭で、全体もしくは、個別にフィードバックを行う。
学生へのメッセージ
1.新聞やニュース、雑誌など、様々な場面で調査結果を目にすることがあるように、幅広い分野で 様々な調査が行われています。本科目を通して、日常生活で目にする調査の設計の仕方、読み方のヒン トをつかんでほしいと思います。2.この授業では遅刻2回で1回の欠席とみなします。 3.授業内で行う課題への積極的参加を求めます。また、課題の準備を事前にお願いすることもあります。
オフィスアワー
授業前後の教室。十分な時間の確保のため、事前に必ずメールにてご連絡ください(osanai-yuki@tokyomirai.jp)。
教科書・参考書
教科書:教科書は使用しません。適宜、資料を配布します。
参考書:小塩真司・西口利文(編) 「心理学基礎演習 Vol.2-質問紙調査の手順」 ナカニシヤ出版 / 鎌原雅彦・宮下一博・大野木裕明・中澤 潤(編) 「心理学マニュアル 質問紙法」 北大路書