講義情報
講義名: ポジティブ心理学
教員: 磯 友輝子
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:金曜 3時限
科目番号(科目ナンバリング)
XEMF310A
授業のテーマと目標
<授業のテーマ>
ポジティブ心理学は、人間の持つ良いところ(強み)を明らかにし、人が社会や集団の中でどのようにしたら、より良く生きていくことができるのかを科学的に明らかにしようとするアプローチである。本科目では、ポジティブな経験、ポジティブな個人特性、コミュニティ育成につながるポジティブな制度について、ポジティブ心理学の歴史の変遷をたどりながら研究例に触れていく。研究知見を受講生自らの中に落とし込み、それを活かしていく手がかりを得てほしい。

〈到達目標〉

1.ポジティブ心理学で扱われるテーマと他の心理学の領域との関連性を理解できる。
2.ポジティブ心理学に関する主要な理論を理解できる。
3.ポジティブ心理学に関する研究知見を活用して受講者自身の生き方を考えられるようになる。
4.1~3に示した目標を達成することで、以下に示す身につけるべき学士力を修得する。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP-M1-個人をみつめる力を身につけること。
DP-M2-他者と関わる力を身につけること。
DP-M3-組織を動かす力を身につけること。
身につけるべき学士力
A-2:意見や立場の違いを理解し、受け入れることができる。
B-4:目標を設定し、自ら進んで取り組むことができる。
L-45:人間の成長発達を理解できる。
L-46:客観的な視点で人間行動を理解し分析できる。
L-47:モチベーションやリーダーシップに関する専門的知識に基づいて行動できる。
M-48:他者を肯定的に理解することができる。
授業の内容と計画
第1回
ガイダンス(授業の進め方)、ポジティブ心理学とは
第2回
ウェル・ビーイングの捉え方
第3回
ウェル・ビーイング研究のアプローチ
第4回
ウェル・ビーイングとポジティブ感情
第5回
ウェル・ビーイングとパーソナリティ特性
第6回
ポジティブな認知様式(1)符号化方略と期待・楽観性
第7回
ポジティブな認知様式(2)目標・価値、自己制御
第8回
ポジティブな自己:自尊感情、自己効力感と自己決定理論
第9回
日常的活動とフロー
第10回
ポジティブな対人関係
第11回
ポジティブ心理学と健康
第12回
ポジティブ心理学と教育・介入の理論的位置づけ
第13回
ポジティブ心理学と教育・介入の体験の共有
第14回
ポジティブ・コンピューティング、総括

定期試験:実施しない

※授業の進行や社会情勢によっては、変更する場合がありうる。
事前学習・事後学習
授業以外に以下の事前・事後学習が必要である。
・事前学習:次回授業で扱う範囲について教科書をよく読み、必要に応じて関連事項について調べておく。また、次回授業のための課題に取り組んだり、用意するように指示されたものを準備したりする。(2時間)
・事後学習:授業内で呈示された課題に取り組み、指定された期日までに提出する。CoLS上のアンケート課題に関しては、次回授業までに提出された他の学生の意見を確認し、授業内容をふりかえる。この他、教科書や配布された資料を見直したり、授業内で紹介された用語や理論を調べてノートにまとめたりするなど、復習をする。
(2時間30分)
アクティブラーニングの実施
WEBアンケートや紙面のワークシートを用いた個人課題、ペアやグループワークの時間を設ける。
CoLSのアンケート機能やフォーラム等を用いた意見共有とする場合もある。
ICTの活用
パーソナルコンピューター(以降、PCとする)を使用して授業資料の呈示や共有を行う。
毎回授業の冒頭において、前回の授業内容の確認ためのミニテストをGoogleフォームで作成されたテストによって行う。
また、授業内・外の課題として、CoLS上のテストやアンケート、レポート等の機能、Googleフォームで作成されたテストやアンケートを用いることがある。
SDGsに係る科目
目標:4  すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し,生涯学習の機会を促進する。
ターゲット:4.7.「2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。」
内容:
持続可能なウェル・ビーイングの形成に向けて,ポジティブ心理学の考え方や研究アプローチを学び,自らのウェル・ビーイングについて考え,自身や周囲の他者に向けて働きかけられる知識を持った人材を育成する。
成績評価方法と基準
<成績評価基準>
評価基準は以下のとおりである。
S:到達目標を完全に達成している。
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している。
C:到達目標を達成している。
E・F:到達目標を達成していない。

<評価方法>
ミニテスト20%、授業で実施する課題(授業内で実施し提出を求める課題・WEB形式のアンケート事前・事後課題)の提出と取り組み度合い20%、最終レポート60%で成績を評価する。
・授業への参加態度は、
各課題に対して真摯に取り組んでいるか、課題の提出状況、
課題が授業内で説明した内容や指示に沿ったものであるかどうかで評価し、成績の20%分を占める。
・毎回授業の冒頭に,前回の授業の用語や理論の理解を問うミニテストを実施する(資料参照不可)。その成績で20%を占める。
・最終レポートは、課題の指示に沿った内容であるか、授業内容を活用した記載がなされているかどうか、自らないしは周囲の人の状況について具体的に記載されているかなどの基準で評価し、成績の60%分を占める。
詳細は授業内で説明する。
試験・課題に対するフィードバック方法
授業内で記載された内容を紹介しながら解説をする。提出された課題はコメントをつけて返却する場合もある。
学生へのメッセージ
1.この授業では3回の遅刻・早退で1回の欠席とみなす。
2.授業の受講ルールの詳細は初回授業で説明する。
3.授業内の連絡は、CoLSのお知らせを利用する。
4.授業で用いる課題や材料を用意してもらうことがある。授業内での連絡、CoLSのお知らせを確認すること。
5.出席確認や課題の提出にはQRコード・URLからアクセスするWEBアンケートやCoLSのレポート・アンケート機能を用いる。PCやこれらにアクセスできる端末を持参すること。
6.事前・事後課題の一部として冬休みに課題を課す。
7.のりやハサミの持参、写真類のプリントアウトなど準備をお願いすることがあるので協力をいただきたい。
8.【お願い】授業内において研究協力の依頼をすることがあます。ご協力いただけるかどうかは受講生の自由意思にまかされますが、協力していただく研究の内容は「ポジティブ心理学」「コミュニケーション」「対人関係」と関連するものです。視野を広げる意味でも、できるだけ協力をしていただけると助かります。

<履修登録前に留意いただきたいこと>
授業では、自分自身や自分の周囲での出来事についてふりかえる個人ワーク、ペアやグループワークを時々行う。授業目的から、これらワークへの取り組みを別課題にすることはできない。ワークへの参加と意見交換が必須であることを理解したうえで履修登録してほしい。
オフィスアワー
初回授業で説明後、別途CoLSで連絡する。
教科書・参考書
<教科書>
堀毛一也(著)「ポジティブなこころの科学―人と社会のよりよい関わりをめざして―」サイエンス社
<参考書>
授業内容に応じて適宜紹介する。