講義情報
講義名: 心理学研究法(モチベ)
教員: 岩﨑 智史
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:金曜 2時限
科目番号(科目ナンバリング)
XEMB102A
授業のテーマと目標
<テーマ>
本授業では,心理学における実証的研究法(量的研究及び質的研究)で用いられる具体的な研究手法について学び,データを用いた実証的な思考方法を身につけることを目的とする。各研究手法で明らかにできること,手続き,長所と短所,研究実施の際の留意点や研究における倫理について研究例を紹介しながら講義形式で解説し,卒業研究等の報告書・論文執筆に必要な基礎知識を得ることを目的とする。

<目標>
1.代表的な心理学研究法の具体的な流れ,適用範囲等について知る。 
2.実験・調査等のデモンストレーションやワークを通して体験的に学ぶ。
3.先行研究の研究手法を理解し,問題点を考えられるようになる。
4.日常生活に見られる心にまつわる現象を題材に,実証的な思考方法を活用して研究計画を立てられるようになる。
5.1~4に示した目標を達成することで,以下に示す身につけるべき学士力を修得する。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP-M1:個人をみつめる力を身につけること。
DP-M2:他者と関わる力を身につけること。
身につけるべき学士力
C-6:獲得した知識・技能を総合的に活用し,課題に適用し,解決できる。
D-9:情報や知識を多角的・論理的に分析し,表現できる。
E-11:自分の意見をわかりやすく伝えることができる。
L-46:客観的な視点で人間行動を理解し分析できる。
M-51:他者に情報を適切に伝達する素材をつくることができる。
N-54:組織経営を円滑化する戦略的な思考ができる。
授業の内容と計画
第1回
   授業の進め方,データを用いた実証的な思考法,研究計画と研究の倫理,心理学における実証的研究法(量的研究法):実験法1―因果関係と相関関係,仮説の立て方―
第2回
   心理学における実証的研究法(量的研究法):実験法2―要因計画と独立変数の操作―
第3回
   心理学における実証的研究法(量的研究法):実験法3―従属変数の測定と剰余変数の統制―
第4回
   心理学における実証的研究法(量的研究法):実験法4―実験実施上の留意点(信頼性と妥当性,倫理的配慮)―
第5回
  心理学における実証的研究法(量的研究法および質的研究法):調査法1―調査事例と調査による研究計画,調査の歴史と調査の種類,心理調査と検査法―
第6回
   心理学における実証的研究法(量的研究法):調査法2―質問紙による量的調査1(質問紙の構成,データ収集・分析過程)―
第7回
   心理学における実証的研究法(量的研究法):調査法3―質問紙による量的調査2(質問項目作成の過程)―
第8回
   心理学における実証的研究法(量的研究法):調査法4―質問紙による量的調査3(よい項目作成のために)―
第9回
   心理学における実証的研究法(量的研究法):調査法5-調査の留意点(信頼性と妥当性,倫理的配慮)―
第10回
   心理学における実証的研究法(質的研究法):調査法6―質的調査の方法(質問紙の構成,データ収集・分析過程)―
第11回
   心理学における実証的研究法(質的研究法):調査法7―面接調査(面接事例と目的と意義、倫理的配慮,質問構成,データ収集・分析過程)―
第12回
   心理学における実証的研究法(質的研究法):調査法8―フィールドワーク(目的と意義,方法),さまざまな調査法(パネル調査,事例研究など)―
心理学における実証的研究法(量的研究法および質的研究法):観察法1―観察の2つの視点,観察の手順(サンプリング方法と記録方法)―
第13回
   心理学における実証的研究法(量的研究法および質的研究法):観察法2―観察実施上の留意点(信頼氏と妥当性,研究における倫理)―
第14回
   研究報告書(レポート,論文)の作成方法,授業のまとめ,確認テスト

※初回授業において,授業計画について詳細に説明する。
授業の授業の進行状況や社会情勢によって,変更する場合がある。
事前学習・事後学習
心理学研究法で多くの用語が用いられることから,用語を正しく理解し,適切に使用できるようになる必要がある。そのため,授業以外に以下の事前・事後学習が必要である((括弧)内は目安の時間を示す)。
事前学習:次回授業で扱う範囲について教科書をあらかじめ読み,必要に応じて関連事項について調べておく。また,次回授業のために課された課題に取り組む。(2時間)
事後学習:配布資料と教科書を読み返すなどして,ノートを作るなど,復習を行う。CoLSで実施する復習テストに取り組んだり,特に小テストに備えて用語の理解を深める。(2時間30分)

※授業は,前回までの予習・復習をしているものとして進める。
また,授業で使うワークや課題のための準備を事前に課すことがあるが,その準備を行っているものとして授業を進める。
アクティブラーニングの実施
研究手法の理解のため,実験・調査等のデモンストレーションを行い,授業内で体験する。
授業内で各自課題に取り組み,その後,ペアやグループで共有する。グループで課題に取り組むこともある。
ただし,新型コロナウィルス感染症の状況によっては,CoLSのアンケート機能やフォーラム等を用いた意見共有とする可能性もある。
ICTの活用
パーソナルコンピューター(以降、PCとする)を使用して授業資料の呈示や共有を行う。また,授業内・外の課題として,CoLS上のテスト,アンケート,レポート等の機能を用いることもある。
SDGsに係る科目
目標12:持続可能な生産消費形態を確保する
ターゲット:12.b 「雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。」

内容:本講義では,実験法,調査法,観察法,面接法という研究手法を概観する。従って,それを活用した「持続可能な生産消費形態に良い/悪い影響をもたらす効果の測定」がいかに実施できるのかについての知識を得られる。
成績評価方法と基準
<成績評価基準>
評価基準は以下のとおりである。
S:到達目標を完全に達成している。
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している。
C:到達目標を達成している。
E・F:到達目標を達成していない。


<評価方法>
授業への参加態度(課題の提出,課題の成績・取り組み度合い等)40%、確認テスト60%で成績を評価する。
・授業では,ほぼ毎回,授業内容に関わる課題への取り組みが求められる。各課題に対して真摯に取り組んでいるか,授業内で説明した内容や指示に沿った回答をしているか等で成績の40%分を評価する。
・確認テストは全授業で説明された内容を適切に理解しているかどうかで成績の60%分を評価する。
試験・課題に対するフィードバック方法
提出された課題はコメントをつけて返却する。授業内で記載された内容を紹介しながら解説をする場合もある。
学生へのメッセージ
1.本授業は,公認心理師,社会調査士,認定心理士の資格取得に必須の科目である。
2.本科目で学ぶ事柄や科学的視点は心理学を含む「行動科学」を学び,研究するための基礎となるだけでなく,世の中の出来事に対して客観的,科学的に捉える力につながる。
3.2回の遅刻で1回の欠席とみなす。
4.具体的な授業の受講ルールの詳細は初回授業で説明する。
5.【お願い】研究協力の依頼をすることがあります。協力・非協力は受講生の自由意思にまかされます。研究の協力依頼に関しては依頼時に説明をします。
オフィスアワー
A棟2階214研究室 火曜日11時~12時30分。
教科書・参考書
<教科書>
・高野陽太郎・岡隆編「心理学研究法~心を見つめる科学のまなざし~」 有斐閣アルマ
<参考書>
村井潤一郎(編著)「Progress & Application 心理学研究法第2版」サイエンス社
※その他,授業内容に応じて適宜紹介する。