講義情報
講義名: 教育学概論②
教員: 越川 葉子
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:金曜 1時限
科目番号(科目ナンバリング)
XDIA109A
授業のテーマと目標
テーマ
人間は生まれた直後から家族をはじめとする様々な他者との出会いを経験します。この授業では、他者との出会いの中に「教育」の根源的な性質が存在することを理解することから始めます。そのうえで、子どもに対する考え方が歴史的にどのように変化し、学校教育へと制度化していったかを学んでいきます。授業の後半では、今日的な教育課題へと視野を広げ、子どもをとりまく現状について理解を深めていきます。
目標
(1)教育学の基礎的な諸概念を理解する。
(2)教育学の基礎的な諸概念を用いて教育にかかわる現象を説明することができるようになる。
(3)教育の歴史的・制度的・社会的変遷を理解する。
(4)これからの教育の在り方を自分なりに考え、論じることができるようになる。
(5)指定した学士力を修得する。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP-CP1-専門的知識と技能を身につけること
DP-CP3-資格に適う力を身につけること
DP-C1-教養的知識・技能を身につけること
DP-C2-教育・保育・福祉等に関する職能を身につけること
身につけるべき学士力
A-1:文化・社会と自然に関する知識を理解できる。
A-2:意見や立場の違いを理解し、受け入れることができる。
C-7:情報を構造化し、分析・評価・統合し、倫理的に活用できる。
E-16:自分と周囲の人々や物事の関係性を理解できる。
K-39:多様な情報を収集し、分析できる。
授業の内容と計画
第1回
オリエンテーション:教育学の特徴と意義を学びます。授業の受け方・進め方について説明します。
第2回
人間の発達と教育①:人間の赤ちゃんの特徴から人間が他者を必要とする存在であることを学びます。 
第3回
人間の発達と教育②:人間の発達過程において他者との関わりがもつ意義を学びます。 
第4回
教育の社会的機能①:教育において社会や家庭が果たしてきた役割を学びます。 
第5回
教育の社会的機能②:社会の歴史的変遷と教育に求められる役割の変化を学びます。 
第6回
社会の中の子ども①:西洋近代の教育思想家から近代的な子ども観とその変化を学びます。
第7回
社会の中の子ども②:人間社会における教育と学習の違いについて学びます。
第8回
中間のまとめと補論:子ども・家庭・社会の歴史的展開と相互の関連性についてまとめます。 
第9回
教育と社会①:西洋中世の人々の暮らしと教育のあり方について学びます。
第10回
教育と社会②:西洋近代における学校制度の成立過程を概観します。
第11回
教育と社会③:西洋近代における学校教育の特徴を学びます。
第12回
教育と社会④:日本の近代学校教育制度の歴史と特徴を学びます。
第13回
現代社会と教育問題:現代日本の教育問題である不登校を考えます。 
第14回
全体のまとめと補論:子どもや社会にとって「学校とは何か」を考えます。

定期試験:実施しない

※授業の進行や社会情勢によっては、変更する場合がありうる。
事前学習・事後学習
事前学習(2時間)
講義の中で出会った言葉や現象を手掛かりに、参考図書を読んだり、関連する資料(ニュース報道や映画・ドラマなどのメディアを含む)に触れて、理解を深める。配布資料に目を通し、必要に応じて質問事項をまとめておく。
事後学習(2時間30分)
授業内容を再度、確認し、疑問点があれば次回、授業時に質問できるようメモを作成するなどの学習をする。他の受講生の意見を参照する。
アクティブラーニングの実施
・授業時間内に本時のテーマに関わる問いを提示します。提示された問いについて、コルズのフォーラムへの投稿機能を用いてディスカッションを行います。投稿された内容をもとに、授業者と受講生の間で質疑応答を行います。
※使用教室によって意見共有の方法は変更する場合があります。
ICTの活用
・コンピュータやプロジェクターなどを活用して、資料などの提示や共有を行います。
・受講生の意見・考え方などを共有したり、比較検討したりできるように コルズを使用した質疑応答を行います。
・授業の配布資料をコルズにアップし、共有します。
成績評価方法と基準
<評価基準>
S:到達目標を完全に達成している。
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している。
C:到達目標を達成している。
E・F:到達目標を達成していない。
<評価方法>
・授業の目標である教育学の基礎的な諸概念を修得していること、「教育」の成り立ちや特徴、今日的な課題について説明できるようになっていることを評価します。
・授業への参加態度、授業内で実施する試験、学期末のまとめで評価します。
・授業への参加態度10%、授業時内試験40%、学期末のまとめ50%の割合で評価します。
試験・課題に対するフィードバック方法
・事前課題の内容を授業内に説明する。
・提出された課題の内容に応じて、授業内で紹介する。
学生へのメッセージ
大学で授業を受けることの醍醐味は、講義内容を手がかりに関連する文献や資料を受講生の手で掘り起こし、自分の興味や関心を深めていくことにあると考えています。そのため、この授業では教科書は使わずに、授業毎にプリントを配布し説明を行うというスタイルをとります。受講生が各自で講義ノートを作成するなど、自分だけの資料を作り込むという意識で授業に臨んでください。わからないこと、疑問に思ったことはコルズなどを活用してどんどん質問をしてください。授業時間外での受講生との対話も歓迎します。
※遅刻について
・3回遅刻で1回欠席とカウントします。
・チャイムが鳴ってから 20 分以上の遅刻は原則として欠席扱いとなります。
オフィスアワー
月曜日:14時〜15時30分
教科書・参考書
教科書:教科書は指定しません。下記の参考書や授業で紹介した文献を実際に手にとって読むことを推奨します。
参考書:
今井康雄編,2009年,『教育思想史』有斐閣。
片桐芳雄・木村元,2008年,『教育から見る日本の社会と歴史』八千代出版。
苅谷剛彦,2005年,『学校って何だろう』筑摩書房。
木村元・児玉重夫・船橋一男,2009年,『教育学をつかむ』有斐閣。
田中智志,2003年,『教育学がわかる事典』日本実業出版社。