講義情報
講義名: 心理学応用研究法実習A
教員: 横地 早和子
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:木曜 2時限
科目番号(科目ナンバリング)
XBJD301A
授業のテーマと目標
テーマ
この授業は、心理学研究に関する一連の科目群の応用編であり、心理学研究の方法の中でも特に「観察法」と「面接法」について実習を交えて学ぶことを目的とする。心理学の研究方法はさまざまあるが、観察的研究に分類され、時に質的研究法とも呼ばれる観察法と面接法は、一見簡単で誰にでもできる研究方法であるように思われがちである。しかし、その実施においてはさまざまな知識や経験を必要とし、さらに分析に関しても多くの労力を必要とするものである。
目標
(1)質的研究方法の特質を実習を交えて理解するとともに、研究計画の立案、観察項目・面接における質問事項の作成、データ収集とデータ分析、報告書(レポート)の執筆の手順を身につける
(2)卒業研究に向けた基礎的な研究法の理解と分析の流れを把握する
(3)獲得した知識・技能を総合的に活用し、課題に適用し、解決できる
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP-CP1:専門的知識と技能を身につけること
DP-CP2:研究する力を身につけること
DP-P2:心理学に関する専門的知識と技能を身につけること
DP-P3:心理職としての専門的知識と技能を身につけること

身につけるべき学士力
C-6:獲得した知識・技能を総合的に活用し、課題に適用し、解決できる。
C-7:情報を構造化し、分析・評価・統合し、倫理的に活用できる。
H-21:統計的なデータを読み取り、科学的根拠を用いて説明できる。
H-24:心理学的な枠組みで人間の心の働きを理解できる。
授業の内容と計画
第1回
ガイダンス・学習の手引き
第2回
研究法の復習行動(観察法と面接法)
第3回
観察法1(時間見本法と事象見本法)
第4回
観察法の実践例
第5回
観察法2(参与観察とエスノメソッド)
第6回
参与観察の実践例
第7回
まとめ1:観察法レポート課題
第8回
面接法の理論と技法
第9回
探索課題:調査的面接のテーマ
第10回
探索課題:調査的面接の実施手続
第11回
課題:オンライン面接の実践
第12回
課題:面接データの分析
第13回
課題:結果の発表
第14回
まとめ2:面接法レポート課題

定期試験:実施しない

※授業の進行によっては、変更する場合がありうる。
事前学習・事後学習
授業時間以外に課題等の準備など、授業以外の学修時間が必要となる。こうした授業に必要な予習や準備、課題への取り組みは、授業以外の学修時間として単位に含まれているため、各自しっかりと取り組むこと。

各授業とも、授業以外に以下の事前・事後学習が必要である。(目安の時間数)
事前学習:次回授業で扱う範囲について教科書をあらかじめ読み、必要に応じて関連事項について調 べておく。(2 時間×14回)
事後学習:授業内容を振り返り、ノートにまとめる。レポート課題を課す場合はレポートを作成する (2 時間 30 分×14回)
アクティブラーニングの実施
授業では面接法を中心としたオンライン実践を行う。具体的には、面接法による調査テーマを決定し、面接項目等を作成するなどの活動を、各自で行う。さらに、各自で実際にオンライン面接を実施し、発話データの分析、発表、レポートの作成まで一貫した自主的な学習活動を必要とする。
ICTの活用
学習対象への理解を深めるために、適宜、ICTを用いて授業を行う。また、授業や実習に必要な資料配布は主にICTを用いて行うとともに、グループによる観察票の作成やデータ集計等もICTを用いて行う。
実務経験を生かした授業の実施
実務経験:特になし
成績評価方法と基準
授業で設けた目標に到達し、身につけるべき学士力を修得したとみなした場合に単位を認定する。
 <評価基準>
S:到達目標を完全に達成している
A:到達目標をほぼ完全に達成している

B:到達目標を十分に達成している

C:到達目標を達成している

E・F:到達目標を達成していない

<評価方法>

基準に達しているか否かは以下の方法で判断する。
授業への積極的参加(60%)、レポート課題(40%)
試験・課題に対するフィードバック方法
提出された課題については適宜フィードバックを行います。 授業時に口頭でおこなう場合もあればCoLSによって行う場合もあります。
学生へのメッセージ
・本授業はグループによる実習形式をとり、ほぼ毎回、グループごとに発表してもらう。授業外での取り組みも多くなると思われるため、全員が役割をしっかり分担し、毎回十分に準備して授業に臨むこと。
・欠席や遅刻はグループ・メンバーの迷惑となるため認めない。欠席1回につき5点減点とし、遅刻(10分以上)は2回で5点減点とする。また、グループでの活動に積極的・協力的に参加することも義務づける。そうした様子が見られない場合についても減点、もしくは履修の途中でも授業への参加を認めないことがあるので、しっかりとグループ活動に取り組むこと。
 ・授業と同様に、レポート課題にも精力的に取組むことを求める。本授業では2種類の研究法を扱うため、レポートは2回課す。1つでもレポート提出がなければ、単位の修得は認めない。
・20分以上の遅刻は欠席扱いとし、20分以内の遅刻であっても欠席扱いする場合がある。
・本授業は、PC等の機器を使用しその数量に限りがあり、またグループによる学習を円滑かつ効果的に行うため、受講者数を32名までとする。
・授業に必要な予習や準備、課題への取り組みは、授業以外の学修時間として単位に含まれているため、各自しっかりと取り組むこと。
オフィスアワー
CoLSを介してアナウンスする。
教科書・参考書
教科書:特に指定しない。必要に応じて資料を配布する。
参考書:
・『心理学マニュアル:観察法』中澤潤・大野木裕明・南博文/北大路書房
・『心理学マニュアル:面接法』保坂亨・中澤潤・大野木裕明/北大路書房
・『心理学研究法:心を見つめる科学のまなざし』高野陽太郎・岡隆編/有斐閣アルマ
・『心理学研究法入門』南風原朝和・市川伸一・下山晴彦(編)(2003)放送大学教育振興会
・『論文の教室:レポートから卒論まで』戸田山和久(2002)NHKブックス