講義情報
講義名: 福祉心理学(心理)
教員: 大橋 智
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:水曜 1時限
科目番号(科目ナンバリング)
XBJE213A
授業のテーマと目標
テーマ
現代社会において、様々な福祉的な支援を受けながら生きていくということは決して稀ではありません。「福祉心理学」は、様々な福祉の対象となる人々に対して、その人々が抱えている様々な心理的な困難の解決を心理学的な知見と技法によって援助することを目指す学問と言えます。本講義では、①福祉現場において生じる問題及びその背景、②福祉現場における心理社会的課題及び必要な支援、③虐待と認知症についての基本的知識、を主テーマとして学んでいきます。

 目標
①福祉支援を必要とする対象者の心理的側面をとらえ、必要な心理的支援を考えることができる。
②対象者を支える家族や支援者に対しての援助について考えることができるようになる。
③福祉分野における心理支援のありかた(コミュニティ心理学的アプローチ)について理解を深めることができる。
④指定した「身につけるべき学士力」を修得する
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係

DP-CP1-専門的知識と技術を身につけること。
DP-CP4-社会に貢献する力を身につけること。
DP-P1-教養的知識・技術を身につけること。
DP-P2-心理学に関する専門的知識と技術を身につけること。


身につけるべき学士力
A-2:意見や立場の違いを理解し、受け入れることができる。
A-6:獲得した知識・技能を総合的に活用し、課題に適用し、解決できる。
D-9:情報や知識を多角的・論理的に分析し、表現できる。
H-23:人の行動や言葉の深い意味を理解できる。
H-24:心理学的な枠組みで人間の心の働きを理解できる。
I-26:他者の立場に立ち、共感的に理解し関わることができる。
I-27:全体を俯瞰しながら、他者の置かれた状況を的確に判断し、適切な援助ができる。
授業の内容と計画
第1回 福祉心理学とは
第2回 福祉心理学の介入・援助とその評価:予防  
第3回 福祉心理学の介入・援助とその評価:危機介入  
第4回 福祉心理学の介入・援助とその評価:精神保健コンサルテーション  
第5回 福祉心理学の介入・援助とその評価:行動コンサルテーション  
第6回 福祉心理学の介入・援助とその評価:プログラム評価  
第7回 児童福祉と心理支援: 乳幼児とその家族への支援  
第8回 児童福祉と心理支援: 母子保健と児童福祉との連携(児童虐待)  
第9回 精神保健福祉と心理支援: 精神障害を抱えた当事者とその家族への支援  
第10回 精神保健福祉と心理支援: 労働と精神保健福祉の連携  (復職支援)  
第11回 障害児福祉と心理支援: 発達障害を抱えた当事者とその家族への支援    
第12回 障害児福祉と心理支援: 教育と障害児福祉の連携(障害児支援)  
第13回 高齢者福祉と心理支援: 高齢者とその家族への支援(認知症支援)  
第14回 地域福祉と心理支援: コミュニティへの心理支援 
定期試験:実施しない    
    
※授業の進行状況や社会情勢によっては、変更する場合がある。
事前学習・事後学習
事前学習:次回授業で取り上げるテーマについて教科書の該当箇所を事前に読み予習をし、必要に応じて調べておく。(2時間)
事後学習:受講の際にとったノートや教科書を参考に、重要と思われる箇所や印象に残った箇所などについて、ノート等にまとめる。授業の際、指示があった場合は、その指示に従って課題を行う。(2時間30分)
アクティブラーニングの実施
授業時に課す課題に対して、各自で考えて、その成果をもとにグループでディスカッションを行い、場合によってはグループごとに発表(プレゼンテーション)を行う。
ICTの活用
・コンピューターやプロジェクターなどを活用して、資料の提示や共有を行う。
・授業時に課す課題は、原則CoLS等を使用して実施する。
実務経験を生かした授業の実施
実務経験:あり(公認心理師・臨床心理士)
実務経験を生かした授業の実施
  • 市立教育相談室相談員、県特別支援教育巡回相談員、母子保健センター心理相談員
  • 障害児を対象とした余暇活動支援
  • 海外における難民支援
SDGsに係る科目
目標:3(保健)・10(不平等)・17(実施手段)
ターゲット:
3.d「すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。」
10.2「2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。」
17.17「さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。」
内容:この科目では、福祉の対象となる人々が抱える多様な困難の背後にある心理的問題や社会的背景と支援について学び、その解決を目指して、心理学的な知見と技法から援助が可能な人材を育成することを目標とする。
成績評価方法と基準
<成績評価基準>
S:到達目標を完全に達成している。
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している。
C:到達目標を達成している。
E・F:到達目標を達成していない。

 <成績評価方法>
①「授業への参加態度」および「授業時に課す課題(小テストあるいは小レポートなど)(40%)③最終課題による評価(60%)として、基準に達しているか否かをルーブリックを用いて判断する。
試験・課題に対するフィードバック方法
・事前課題もしくは事後課題の内容を授業内で解説します。
・課題の評価はルーブリックを用いて行います。
学生へのメッセージ
  • 授業には、欠席や遅刻等をすることがないようにしましょう。
  • この授業では,遅刻および早退は、2回で1回の欠席として扱います。
  • 遅刻は授業開始のチャイムが鳴ってから20分以内とし、20分以上の遅刻は欠席扱いとなります。
  • 配布資料は、状況により、「紙」で配布するのではなく、CoLS等で「データ」の形で配布することがあります。その場合は、授業開始までに各自でダウンロードをして、各自で印刷するか、あるいは個人のPCを持参して授業に臨んでください。
  • 新型コロナウィルスの感染状況および予防等の観点から、授業内容等に変更が生じることがあります。その際は、授業内で説明、またはCoLS等でお知らせをします。
オフィスアワー
初回の授業時に説明します。
教科書・参考書
教科書:植村勝彦 他編 よくわかるコミュニティ心理学[第3版] ミネルヴァ書房(2017年)
参考書:中島健一(編)公認心理師の基礎と実践17「福祉心理学」 遠見書房(2018年)
その他、適宜指示をする。