講義情報
講義名: 社会的養護Ⅰ①(K2B/K2E)
教員: 横畑 泰希
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:火曜 1時限
科目番号(科目ナンバリング)
XCKC231A
授業のテーマと目標
【テーマ】
要保護児童対策が中心であった時代から、現代は家庭の子育て機能の低下による要支援児童を含めた問題への対策が求められている。本講義では、現代社会における児童虐待の現状と課題、社会的養護の体系、政策、理念等、社会的養護に関する基本的事項について学ぶ。また、社会的養護にかかわる児童福祉施設等における現状と役割等について、理解することを目指す。

【到達目標】
1.現代社会における社会的養護の意義と歴史的変遷を理解する。
2.子どもの人権擁護と社会的養護の理念・原理を理解する。
3.社会的養護の制度や実施体系を理解する。
4.社会的養護の対象や関連機関・専門職を理解する。
5.社会的養護の現状と課題を理解する。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
  • DP-CP1:専門的知識と技能を身につけること
  • DP-CP3:資格に適う力を身につけること
  • DP-C2:教育・保育・福祉等に関する職能を身につけること
  • DP-C3:専門的知識・技能を利活用できる就業力を身につけること
身につけるべき学士力
  • A-2:意見や立場の違いを理解し、受け入れることができる。
  • C-5:問題を発見し、必要な情報を収集・分析・整理し、解決できる。
  • F-17:自己の良心及び法規範・社会のルールに従って行動できる。
  • J-32:場面に必要な表現ができる。
  • K-39:多様な情報を収集し、分析できる。
  • K-40:子どもの行動を把握し、分析・考察できる。
授業の内容と計画
第1回:オリエンテーション
第2回:社会的養護とは何か(第1章)/社会的養護の歴史的変遷(第2章)
第3回:子どもの人権擁護と社会的養護(第3章)/社会的養護に関する社会的状況(第4章)
第4回:社会的養護の基本的な考え方(第5章)/社会的養護の制度と法(第7章)
第5回:社会的養護の仕組みと実施体制(第8章)/社会的養護の対象と支援(第9章)
第6回:家庭養護と施設養護(第10章)
第7回:家庭養護の実際<里親・ファミリーホーム>
第8回:施設養護の実際<児童養護施設>
第9回:施設養護の実際<乳児院>
第10回:施設養護の実際<福祉型障害児入所施設>
第11回:社会的養護における保育士等の倫理と責務(第6章)/社会的養護に関わる専門職(第12章)
第12回:社会的養護とソーシャルワーク(第11章)/施設等の運営管理(第13章)
第13回:被措置児童等虐待の防止と権利擁護(第14章)/社会的養護と地域福祉(第15章)
第14回:総括-総まとめ確認試験-

定期試験:実施しない

※授業の進行状況や社会情勢によって、変更する場合がある。
事前学習・事後学習
本科目は2単位授業ですので90時間の学修を必要とし、授業外での学習(事前、事後)は62時間が必要です。1回の授業あたりで換算すると、概ね4時間30分の事前学習と事後学習が求められます。

【事前学習】(概ね3時間)
  • 次回以降の授業に向けて、指定教科書の該当章、あるいは事前配布資料等を熟読し、内容理解を済ませること。
  • 上述内容理解に基づき、他の文献やwebで知識を広めておくこと。
  • 上記学習を踏まえ、さらに詳細な解説をして欲しい点、新たな疑問点などを、定められた方法で事前質問として提出すること。
【事後学習】(概ね1時間30分)
  • 授業内容を各自で振り返り、知識の定着化を図ること。
  • 担当教員が提示する事後学習課題に取り組み、所定の方法で提出すること。
アクティブラーニングの実施
事前学習で当日授業内容の知識習得を済ませていることを前提とし、当日の授業では質疑応答を積極的に取り入れ、知識の深化を図るような反転授業を基本とします。
ICTの活用
  • 事前学習課題、事後学習課題、事前質問、事後質問等はすべて、コルズを通して行ないます。
  • 事前学習、事後学習に必要となる資料、及び映像についても、コルズを通して配布、配信を行ないます。
実務経験を生かした授業の実施
  • 【実務経験】:臨床発達心理士としての心理臨床経験/保育現場での実務経験
  • 【実務経験を生かした授業】:心理士としての実務経験、保育現場での実務経験をもとに、適宜事例などを交えながら授業を展開します。
成績評価方法と基準
【成績評価基準】
  • S:到達目標を完全に成している。 
  • A:到達目標をほぼ完全に成している。
  • B:到達目標を十分に成している
  • C:到達目標を成している
  • E・F:到達目標を成していない。
【成績評価方法】
  1. 授業参加・取組状況=20%
  2. 事後学習課題=30%
  3. 総まとめ確認試験=50%
  • 上記3点の評価から、受講態度における減点がある場合は、その処理をしたうえで最終的な成績評価とする。
  • 成績評価についての詳細は、初回授業にて説明する。
試験・課題に対するフィードバック方法
事前学習課題、事後学習課題を授業資料とし、同時に提出された質問も含めて、授業内でフィードバックする。
学生へのメッセージ
  • 私語、スマホ操作、居眠りなどは、受講態度の大幅な減点対象となります。他の評価項目で及第点であっても、この受講態度減点により単位を修得できない学生が、毎年一定数いるので十分に注意してください。
  • 私語やスマホの操作は、大幅な減点となるだけではなく、その場で躊躇なく退室を命じます。
  • 授業開始時刻から20分以上の遅刻は規定により欠席となります。また、授業中に体調不良等での離席であっても、20分以上離席が続いた場合は欠席となります。
  • 20分以内の遅刻であっても、遅刻3回につき欠席1回としてカウントします。
  • 単なる知識の習得は指定教科書を熟読すれば事は足ります。さらに知識を広げ、深めるためには、自分自身で「問い」を立てることが必要です。本授業では、質問を出してもらう機会を多く作りますので、積極的に質問を出して、知識をさらに広げたり深めたりするよう努めてください。また、その質問を出すことが、授業への参加状況にも繋がります。
オフィスアワー
初回授業時に説明します。
教科書・参考書
教科書:鈴木幸雄・梶原敦・美馬正和(編著) 2022 社会的養護Ⅰ-「新しい社会的養育ビジョン」の理解に向けて- 同文書院
参考書:適宜提示します。