講義情報
講義名: 臨床心理学概論(心理)
教員: 佐藤 亮太朗
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:金曜 1時限
月曜 4時限
科目番号(科目ナンバリング)
XDIB105A
授業のテーマと目標

〈テーマ〉

 この授業は公認心理師となるための必要な科目に該当する。この授業では主として「臨床心理学の成り立ち」と「臨床心理学の代表的な理論」をテーマとしている。なかでも、人の行動や心の働きに関する生理学的説明や発達的説明、認知的説明、行動的説明と、それらの歴史的変遷について講義する。また、学校や相談室等の主に幼児、児童生徒を対象とした心理・教育実践における諸課題やアセスメント、介入技法についても講義する。
〈目標〉
(1)臨床心理学の成り立ちについて説明できる。
(2)臨床心理学と関連する諸理論について、具体例を交えて説明できる。
(3)臨床心理学が関連する学齢期の諸課題とそのアセスメント、介入について、具体例を交えて説明できる。
(4)指定した学士力を習得する。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係

DP-CP1:専門的知識と技術を身につけること
DP-CP3:資格に適う力を身につけること
DP-P2:心理学に関する専門的知識と技術を身につけること
DP-P3:心理職としての専門的知識と技術を身につけること

身につけるべき学士力
A-2:意見や立場の違いを理解し、受け入れることができる。
E-14:他者と協調して行動できる。
A-1:文化・社会と自然に関する知識を理解できる。
C-7:情報を構造化し、分析・評価・統合し、倫理的に活用できる。
I-26:他者の立場に立ち、共感的に理解し関わることができる。
H-24:心理学的な枠組みで人間の心の働きを理解できる。
H-22:子どもの多様な発達プロセスを科学的にとらえることができる。
授業の内容と計画
第1回:イントロダクション-臨床心理学の成り立ち-
キーワード:基礎心理学 臨床心理学 異常心理学 クリニック 相談室 学校

第2回:説明の有用性①-生理学的説明-
キーワード:遺伝 生化学 脳障害 双生児法

第3回:説明の有用性②-発達的説明-
キーワード:精神分析学 エディプスコンプレックス 認知発達 ジャン・ピアジェ

第4回:説明の有用性③-認知的説明-
キーワード:ゲシュタルト心理学 発見学習 構成主義

第5回:説明の有用性④-行動的説明-
キーワード:強化 消去 刺激性制御 モデリング シェイピング

第6回:現代の教育現場における諸課題
キーワード:いじめ 不登校 ゲーム依存 虐待 多様な背景を持つ児童生徒

第7回:アセスメント技法①-知能検査、認知検査-
キーワード:WISC KABC-Ⅱ FSIQ 同時処理 継次処理

第8回:アセスメント技法②-発達検査、その他の検査-
キーワード:ASD ADHD SLD 感覚過敏 感覚鈍麻 眼球運動

第9回:アセスメント技法③-行動観察法-
キーワード:行動産物記録法 タイムサンプリング法 インターバル記録法

第10回:アセスメント技法④-面接法-
キーワード:来談者中心療法 ラポール オープン/クローズクエスチョン

第11回:介入方略①-不安・緊張への対応技法-
キーワード:認知行動療法 エクスポージャー法 暴露反応妨害法 不安階層表

第12回:介入方略②-行動問題への対応技法-
キーワード:応用行動分析 三項随伴性 機能分析 分化強化

第13回:介入技法③-学習支援-
キーワード:読む 書く 話す 聞く 計算する 推論する

第14回:臨床心理学を行う者の倫理
キーワード:守秘義務 集団守秘義務 多重関係 正の弱化(罰)

定期試験:実施する。
授業の進行状況や社会情勢によって、変更する場合がある。
事前学習・事後学習

事前学習(2時間)
次回授業で扱う範囲のキーワードについて調べておき、必要に応じて参考文献を読む。
事後学習(2時間30分)
振り返り課題に取り組む。振り返り課題は何度解き直しても構わないので、満点になるまで取り組むことを勧める。最も高い得点のものを成績に反映する。

アクティブラーニングの実施
対面授業の場合、講義の最初に10~15分程度の前回の授業の質疑応答を行う。また、学生による技法のロールプレイや教員が与える課題に関するグループディスカッションを設けることがある。
ICTの活用

・コンピュータやプロジェクター等を活用して資料などの提示や共有を行う。

・受講生の意見や考え方等を共有したり、比較検討したりできるようにICTを用いた授業を行う。
・自分の考えをワープロソフトで文章にまとめたり、データを表計算ソフトで表やグラフなどにまとめたりする。
実務経験を生かした授業の実施

【実務経験】
東村山市スクールサポーター、清瀬市子どもと家庭の支援員、
筑波大学心理・発達教育相談室非常勤相談員、筑波大学附属中学校スクールカウンセラー
【実務経験を生かした授業】
第7回~第13回の授業において、支援員や相談員、スクールカウンセラーの経験から、具体的な方略を講義。

成績評価方法と基準

〈成績評価基準〉
S:到達目標を完全に達成している。
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している。
C:到達目標を達成している。
E:到達目標を達成していない。
F:到達目標を達成していない(出席回数不足)。
〈成績評価方法〉
各授業の終わりに課す振り返り課題を30点満点、中間試験及び単位習得試験得点を30点満点、レポートを40点満点に換算し、60点以上で単位習得とする。ただし、全講義の3分の2以上の出席をもって評価の対象とする。

試験・課題に対するフィードバック方法
毎時、講義に関する質問や要望を受け付ける。それらへのフィードバックは次回の講義の冒頭で実施する。振り返り課題はGoogleフォームを用いて実施するため、その場で得点が開示される。単位習得試験やレポートに関しては、成績確定後に何らかの方法で個別にフィードバックを行う予定である。
学生へのメッセージ

全講義の3分の1以上を欠席した者はその時点でF評価となる。また、遅刻3回で欠席1回にカウントする。本授業において遅刻とは、「授業開始後、20分以内に教室に入室すること」と定義する。尚、授業開始後、20分後の入室は欠席とする。公共交通機関の遅延が影響している場合は、遅延証明書と通学定期券を提示することで考慮することがある。

オフィスアワー
初回授業で説明後、別途CoLSでお知らせする。
教科書・参考書

〈教科書〉
指定しない

〈参考書〉
Alberto, P. A., & Troutman, A. C. (1999) Applied Behavior Analysis for Teachers:
Fifth Edition. Prentice-Hall, Inc.
佐久間 徹・谷 晋二・大野裕史訳(2004)『はじめ ての応用行動分析 日本語版第2版』.二瓶社.
日本認知・行動療法学会編(2019)『認知行動療法辞典』.丸善出版.
その他、適宜授業中に提示する。