講義情報
講義名: 倫理学
教員: 渡邊 智寛
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:月曜 3時限
科目番号(科目ナンバリング)
XEOA102A
授業のテーマと目標
テーマ:
高度かつ複雑に発展した現代社会においては、古来より続く倫理学的発想では十分に対応しきれない問題が数多く発生しています。こうした倫理的問題に対しては、応用倫理学と呼ばれる倫理学領域が多様な展開を見せていますが、授業ではとりわけ生命倫理・医療倫理的諸問題にフォーカスします。
到達目標:
本講義の到達目標は、高度に発展した現代医療において生じる倫理的問題の検討を通じ、以下の能力を修得することです。
・生命にかかわる倫理的問題について、正確な知識を理解する。
・そうした問題を主体的に考察する力を身につける。
・実際の問題がどのような構造にあるか、正確に分析できるようになる。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP-M1-個人をみつめる力を身につけること。
DP-M2-他者と関わる力を身につけること。
身につけるべき学士力
H-21:統計的なデータを読み取り、科学的根拠を用いて説明できる。
K-39:多様な情報を収集し、分析できる。
L-46:客観的な視点で人間行動を理解し分析できる。
M-51:他者に情報を適切に伝達する素材をつくることができる。
N-53:国内外の社会情勢を理解する広い視野をもつことができる。
授業の内容と計画
生命倫理学全体を俯瞰的に概括したのち各論を個別に検証します。それぞれの問題について、正確な知識に基づいてその構造を分析し、現状を理解します。のみならず、問題解決の道筋についても検討します。

第1回
ガイダンス/イントロダクション
・シラバスの記載事項についての確認
・現代社会と応用倫理学
第2回
生命倫理学とは何か
・生命倫理的問題
・医療専門職と社会合
第3回
生命倫理学、誕生の背景
・人体実験に対する反省
・医療技術の進歩
・医師―患者関係の変質
第4回
人工妊娠中絶(1)
・日本の現状
・国際比較
・関係法規
第5回
人工妊娠中絶(2)
・プロライフ/プロチョイス
・選択的中絶
・新優生思想
第6回
生殖に関わる医療(1)
・人工授精
・体外受精
・代理出産
第7回
生殖に関わる医療(2)
・選択的出産
・受精卵を用いた研究
・親子関係
第8回
遺伝子操作(1)
・遺伝子操作の種類
・遺伝子改良の対象
・遺伝子エンハンスメント
第9回
遺伝子操作(2)
・デザイナーベビーの倫理
・遺伝子組み換え作物・動物の現状と問題
第10回
脳死と臓器移植(1)
・パーソン論
・脳死の定義
・脳死問題の整理
第11回
脳死と臓器移植(2)
・判定基準の問題
・臓器移植の要件
・倫理的課題
第12回
安楽死・尊厳死・治療停止(1)
・安楽死・尊厳死の定義・分類
・事例検討
・安楽死許容条件
第13回
安楽死・尊厳死・治療停止(2)
・終末期医療
・リビングウィル
・国際比較
第14回
自律尊重・自己決定
・社会功利性
・自己決定権もしくは愚行権

※ 進捗状況や履修者の事情、社会情勢等に応じて授業の内容や順序を変更することもあります。
事前学習・事後学習
授業以外に以下の事前・事後学習が必要である。(目安の時間数)
事前学習:関連情報の収集および理解(2時間)
事後学習:授業内容の再確認および整理(2時間30分)
アクティブラーニングの実施
授業毎の課題と期末課題レポートはPBL(Problem-Based Learning)形式で実施します。手順の詳細は授業内で指示します。
ICTの活用
・授業毎の課題提出や期末課題レポートの作成では、web等を活用した情報収集と分析が必要となります。
・授業に関する質問や意見は、授業ごとに実施する課題内で受け付けます。課題はCoLS上で実施します。寄せられた質問や意見は、次回授業でフィードバックします。
成績評価方法と基準
【評価基準】
S:到達目標を完全に達成している。
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している
C:到達目標を達成している
E・F:到達目標を達成していない。

【評価方法】
評価基準に従い、各項目を総合して100点満点で評価します。
授業内課題(リアクションペーパー、小テスト)40%+期末レポート60%
試験・課題に対するフィードバック方法
授業内課題については、翌週の授業中にいくつかの解答を例示して解説します。
期末レポートについては、希望者に対してCoLS経由で講評を送ります。
学生へのメッセージ
教室入室が授業開始から20分を過ぎた場合は「欠席」扱いとなります(20分以内は「遅刻」)。
「遅刻」3回で「欠席」1回とカウントされます。
授業回数3分の2以上の「出席」が成績評価の前提となります。
知的好奇心に溢れる、積極的・意欲的な参加者を待っています。
オフィスアワー
質問や要望はメールで受け付けます。
watanabe.tomohiro@tokyomirai.jp

CoLSの利用も可能です。
詳細は初回授業で告知します。
教科書・参考書
教科書:使用しません。
参考書:事前に準備するものはありません。授業で推奨資料を適宜紹介します。
配布資料:CoLS経由で配布します。