講義情報
講義名: 心理的アセスメント
教員: 石倉 篤, 大村 美菜子, 藤本 昌樹
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:秋学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:月曜 3時限
月曜 4時限
科目番号(科目ナンバリング)

XEMD213 A

授業のテーマと目標
テーマ
心理的アセスメントでは、心理学的援助を行うための、人間の総合的理解のあり方について学ぶ。授業では、まず、臨床心理学における心理的アセスメントの位置付け、意義、適応と限界、倫理について基本的な点を理論面、実践面から解説する。その上で、心理的アセスメントを構成する、面接、観察、心理検査の各方法における技能について、実習を通して体験的に学習する。心理検査については質問紙法検査・投影法検査・作業検査・知能検査の各領域を学ぶ。これらの各方法を学んだ上で、それらを組み合わせて、どのように心理学的介入につなげるか、そのための適切な記録及び報告の仕方を学ぶ。

目標
1.心理的アセスメントの目的及び倫理について理解する。2.心理的アセスメントの観点及び展開について理解する。3.心理的アセスメントの方法(観察、面接及び心理検査)について理解し、演習を通して習熟する。4.適切な記録及び報告の仕方、テストバッテリーの組み方を理解し、実施できるようにする。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP-CP1-専門的知識と技能を身につけること。
DP-CP4-社会に貢献する力を身につけること。
DP-P2-心理学に関する専門的知識と技能を身につけること。
DP-P3-心理職としての専門的知識と技能を身につけること。
身につけるべき学士力
C-5:問題を発見し、必要な情報を収集・分析・整理し、解決できる。
C-7:情報を構造化し、分析・評価・統合し、倫理的に活用できる。
L-45:人間の成長発達を理解できる。
L-46:客観的な視点で人間行動を理解し分析できる。
M-51:他者に情報を適切に伝達する素材をつくることができる。
授業の内容と計画
第1回 大村
心理的アセスメントの目的及び倫理
第2回 大村
心理的アセスメントの観点および展開
第3回 石倉
心理的アセスメントの成り立ち
第4回 石倉
心理的アセスメントの方法
第5回 藤本
心理支援の中での心理的アセスメントの位置づけ
第6回 藤本
異常心理学の基礎
第7回 大村
観察 ①観察実施
第8回 大村
観察 ②結果の整理・まとめ
第9回 大村
面接 ①面接実施
第10回 大村
面接 ②結果の整理・まとめ
第11回 藤本
エゴグラム・GHQ ①検査実施
第12回 藤本
エゴグラム・GHQ ②結果の整理・まとめ
第13回 大村
PFスタディ ①検査実施
第14回 大村
PFスタディ ②結果の整理・まとめ
第15回 大村
樹木画・家族画 ①検査実施
第16回 大村
樹木画・家族画 ②結果の整理・まとめ
第17回 藤本
SCT文章完成法検査 ①検査実施
第18回 藤本
SCT文章完成法検査 ②結果の整理・まとめ
第19回 藤本
TAT ①検査実施
第20回 藤本
TAT ②結果の整理・まとめ
第21回 大村
内田クレペリン作業検査 ①検査実施
第22回 大村
内田クレペリン作業検査 ②結果の整理・まとめ
第23回 藤本
WAIS/WISC ①理論
第24回 藤本
WAIS/WISC ②検査実施
第25回 藤本
WAIS/WISC ③結果の整理
第26回 藤本
WAIS/WISC ④結果のまとめ
第27回 大村
まとめ ①テストバッテリーの組み方
第28回 大村
まとめ ②適切な記録及び報告の仕方
定期試験:実施しない

※授業の進行によっては、変更する場合がありうる。
事前学習・事後学習

各回授業前の事前学習として、授業で扱うテストにして自ら調べておくこと(学習時間:各2時間)
また、授業後の事後学習(復習)とレポート作成が必須となる。(学習時間:各2時間30分)
アクティブラーニングの実施
随時、実習を行う。
ICTの活用
コンピュータを活用して、資料などの提示や共有を行う。
実務経験を生かした授業の実施
実務経験:教員3名ともに臨床心理士および公認心理師として様々な領域で実務経験を行ってきた。
各回において、さまざまな領域の現場で心理師として働いた経験を基に、心理的アセスメントの実際について説明する。

成績評価方法と基準

<評価基準>

S:到達目標を完全に達成している。

A:到達目標をほぼ完全に達成している。

B:到達目標を十分に達成している

C:到達目標を達成している

E・F:到達目標を達成していない。

<評価方法>

基準に達しているか否かは以下の方法で判断する。

1.心理アセスメントの所見レポート:各教員が指示したもの(70点)、2.各授業のミニレポート:(30点)の総合点(100点満点)で評価を行う。

*なお、この授業は、実習形式の授業であるので、単位修得には、すべての心理アセスメントの所見レポートの提出を必須とする。所見レポートに関しては、ルーブリック評価を行う。
試験・課題に対するフィードバック方法
次週の授業の冒頭で課題のフィードバックを行う。
学生へのメッセージ
主に対面授業の実習の形式で行う。詳細は初回の授業で説明するが、授業実施期間中は、授業形式の再度の変更なども考えられることから、コルズからのお知らせは常に注意してチェックすること。基本的には、実習形式の授業であるので、単位修得においては、真摯かつ積極的な講義への参加と課題提出が求められる。臨床現場においては、時として心理アセスメントが、対象者の人生を左右することもある。その重大性をきちんと理解することが求められる。それゆえ、原則1回でも授業を欠席した場合には不可とする。心理支援を必要としている人々に対する総合的な理解がいかに大切であるか、その解釈の正確性ばかりではなく、心理的アセスメント実施者の人間性が問われるものであることを念頭に置いて、誠実、真剣な姿勢で、講義に臨むこと。
オフィスアワー
初回授業で説明します。
教科書・参考書
教科書:適宜資料を配付する。
参考書:特になし。