講義情報
講義名: 歴史学(こども)
教員: 末野 孝典
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:火曜 4時限
科目番号(科目ナンバリング)
XABA108A
授業のテーマと目標
テーマ
「歴史学とは何をおこなう学問なのか?」という問いが授業全体を貫くテーマとなります。このテーマを様々に分節化した教科書に沿って授業していきます。授業を通じて学生は歴史学について理解を形成していくことになります。
したがって、高校までの日本史・世界史の授業のような、歴史事項を時系列に沿って網羅的に解説する「歴史」の授業にはなりません。本授業は「歴史学」の授業です。

目標
(1)出席を含めて、授業に積極的に参加する態度を身に着ける
(2)歴史学の基本的な問題意識を理解し、歴史学の意義を説明できるようになる。
(3)歴史学がなぜ重要か、私見を述べることができるようになる。
(4)現代世界の諸問題に対して、歴史的な見地から理解する姿勢を持てるようになる。
(5)指定した学士力を修得する。

卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP-CP1-専門的知識と技能を身につけること。
DP-CP2-研究する力を身につけること。
DP-C1-教養的知識・技能を身につけること。
身につけるべき学士力
汎用的スキル
A-2 意見や立場の違いを理解し、受け入れることができる。
B-3 卒業後も自律・自立して学習できる。
C-6 獲得した知識・技能を総合的に活用し、課題に適用し、解決できる。
D-10 既存の知識を活用して、新しい価値(アイデア、生産物、方法等)を生みだせる。

専門的スキル
J-32 場面に必要な表現ができる。
K-39 多様な情報を収集し、分析できる。
授業の内容と計画
第1回 オリエンテーション:授業全体のデザインについて、および授業の受け方について
第2回 歴史に法則性はあるのか:歴史と変化の理論
第3回 過去の痕跡をどうとらえるのか:歴史学と史料
第4回 時間をどう把握するのか:暦と歴史叙述
第5回 人びとの「まとまり」をとらえなおす:歴史の中の国家と地域
第6回 現代社会の成り立ちを考える:グローバリゼーションの歴史的展開
第7回 植民地主義と向き合う:過ぎ去らない帝国の遺産
第8回 世界像を再考する:イスラームの歴史叙述と伝統的世界像
第9回 内なる他者の理解に向けて:儀礼と表象、感性の歴史学
第10回 当たり前を問う、普通の人々を描く:日常史と民俗学
第11回 「近代」の知を問いなおす:歴史学・歴史叙述をめぐる問い
第12回 アナクロニズムはどこまで否定できるのか:歴史を考えるコトバ
第13回 「私たちの歴史」を超えて:ともに生きる社会のために
第14回 まとめ・総括
*授業の進行状況や社会情勢によって変更する場合がある
事前学習・事後学習
第2回~第13回で教科書を一章づつ進めていきます。
予習:テキスト次回部分を通読し、用語(人名・出来事・地名など)を調べておきましょう。(2時間半)
復習:毎回の授業資料と自分のメモをもとに、授業内容を簡潔にまとめる文章(数行程度)を作成しておきましょう。課題として提出する論述に何を書いたのかを再構成して、自分で吟味してみることも良い復習になります。(2時間)
アクティブラーニングの実施
毎回の授業で課題提出を求めることでPBL(課題解決型学習)をおこなう。
ICTの活用
自分の考えをワープロソフトで文章にまとめる。
授業内で出席管理、資料配布などコルズを使用して実施する。
コルズを通して学生の質問を受け付けたり、必要に応じて個別にアドバイスを与える。
実務経験を生かした授業の実施
特になし。
成績評価方法と基準
<評価基準>
S:到達目標を完全に達成している。
A:到達目標をほぼ完全に達成している。
B:到達目標を十分に達成している
C:到達目標を達成している
E・F:到達目標を達成していない。

<評価方法>
基準に達しているか否かは以下の方法で判断する。
平常点60%、レポート試験40%として総合的に判断する。
平常点は毎回書いてもらう課題(200字程度)に対する評価が中心になります。
レポート試験は授業期間中におこないます。授業内で示された内容と自身の見解を論述する文章を作成してもらいます。毎回の課題とは異なり、授業内容を横断した題目が設定されます。
以上の2項目を総合して評価します。

なお、5回以上の欠席は単位取得不可とします。


試験・課題に対するフィードバック方法
提出された課題に対して、次回授業の冒頭にてフィードバックをおこなう。
学生へのメッセージ
本授業ではCoLSを通じて授業資料(PDF)を配布します。授業資料を参照しながらテキストを読解し、毎回課題を作成して提出してもらいます。
高校までの歴史の授業とは全く異なり、何かを暗記する必要はありません。その代わり、講義授業内容について何かを考え出すことが求められます。そして、考えたことを文章として提示することを重視します。
毎回講師が指定した題目に沿った論述を提出してもらいますし、テストも論述形式で文章作成能力が求められます。
事前に調べた情報や考えていたこと、授業で得た情報、授業を通じてあらためて考えたこと、これらに言葉を与えて文章化する能力を養っていく場として、授業を活用するように心がけてください。

なお、20分以上の遅刻は原則的に欠席扱いとなります。
オフィスアワー
授業時間、およびメールにて質問・相談を受け付けます。
メールアドレスは下記の通りです。
sueno.takanori@gmail.com
教科書・参考書
東京大学教養学部歴史学部会編, 『歴史学の思考法:東大連続講義』, 岩波書店, 2020年.
加えて、CoLSで毎回授業資料を配布します。
授業資料は毎回のテキスト内容のアウトラインを共有するとともに、講師による解説も付されます。
加えて参考文献なども提示してあります。
その他
毎回の授業の予定構成は以下の通りです。
1. 前回課題へのフィードバック:10-20分
2. 講師による講義:40-60分

3. 課題作成:20-30分
ただし、受講人数や授業の進行によって適宜変更する場合があります。