講義情報
講義名: 言語学
教員: 田中 真奈美
単位: 2
学部:
カテゴリ:
開講情報
キャンパス:
開講時期:春学期
開講学年:
昼夜区分:
曜日・時限:火曜 3時限
科目番号(科目ナンバリング)
XABA110A
授業のテーマと目標
テーマ
私たちの多くは、あたりまえのように日本語を使用し、日本文化にもとづいたふるまいをよしとしているが、こうした共通の言語や文化のあり方に目を向けていく。かつて近代国民国家は、共通の言語や文化をつくりだすことによって、国家としての基盤を築いてきたが、今日、多くの国々では、その言語と文化の共通性が揺らいでいる。国語や公用語以外の言語を母語とする人々や、普遍的とみなされてきた文化とは異なる文化を身につけた人々と、ともに暮らす機会が増えてきたからである。欧米諸国はもとより日本でも、多様な言語や文化とどのような折り合いをつけていくのかが、問われている。そこで、この講義では、人をつなぐものであるとともに人を分かつものでもある、言語や文化の役割について考察していきたい。
目標
この授業は修行的な側面をあわせもつため、受講に際しては自己鍛錬ともいうべき相当の意識向上を要する。まず、言語学の基礎の学習と調べ学習という厳格な二つの目標に沿って進めていく。第一の目標である言語学の基礎の学習では、黒田龍之助『はじめての言語学』を使用し、授業時に配布するプリント教材や授業時に視聴するビデオ教材を通して、多様な言語と文化のありようについて学んでいく。第二の目標である調べ学習では、私たちにとっての言語と文化の意味について理論的な考察を深めていく。この作業においては、各自に逐次レポートの提出を課す。
また、指定した学士力を修得する。
卒業・学位授与方針(ディプロマポリシー(DP))との関係
DP-M1-個人をみつめる力を身につけること。
DP-M2-他者と関わる力を身につけること。
身につけるべき学士力
A-2:意見や立場の違いを理解し、受け入れることができる。
C-5:問題を発見し、必要な情報を収集・分析・整理し、解決できる。
D-9:情報や知識を多角的・論理的に分析し、表現できる。
E-16:自分と周囲の人々や物事の関係性を理解できる。
G-19:自らを律して行動できる。
授業の内容と計画
第1回
講義内容の説明とオリエンテーション
第2回
言語学をはじめる前に①  言語学とは?
第3回
言語学をはじめる前に②  言語学のポイント
第4回
言語学の考え方①     記号と体系
第5回
言語学の考え方②       言語の分け方 文と単語
第6回
言語学の聴き方①     IPA
第7回
言語学の聴き方②     音声と音韻
第8回
言語学の捉え方①     文法と文法書
第9回
言語学の捉え方①     言語の仕組み
第10回
言語学の分け方①     語族
第11回
言語学の分け方②     言語の変化
第12回
言語学の使い方①     絶滅する言語
第13回
言語学の使い方②     言語の優劣、言語が学ぶことの意義
第14回
総括 理解度確認テスト

定期試験:実施しない

※授業の進行によっては、順番や内容を一部変更する場合があります。また、授業の進行状況や社会情勢によって、変更する場合があります。
事前学習・事後学習
1回100 分の授業時間に加え、事前の予習や事後の復習、課題やレポート作成などの授業以外のの事前・事後学習が必要です。
(目安の時間数)
事前学習:次回授業で扱う範囲について教科書をあらかじめ読み、必要に応じて関連事項について調べておく。(2 時間)
事後学習:授業内容を振り返り、自分の方法で整理し、まとめる。(2 時間 30 分)
アクティブラーニングの実施
毎回授業の最初に、前回の復習を兼ねたディスカッションをペアで行います。その後、各ペアの意見を発表してもらいます。
ICTの活用
資料などの提示や共有を行う場合にコンピュータやプロジェクター、動画などを活用している。
成績評価方法と基準
<成績評価基準> :授業で設けた目標に到達し、身につけるべき学士力を修得したとみなした場合に単位を認定する。
S:到達目標を完全に達成している
A:到達目標をほぼ完全に達成している
B:到達目標を十分に達成している
C:到達目標を達成している
E・F:到達目標を達成していない

<評価方法>:基準に達しているか否かは、各項目を総合して 100 点満点で評価する。
授業への参加度(課題の提出、出席、授業態度など)(50点)と学期末試験(50点)を基準として評価する。

出席:単位修得上、原則として3回以上の欠席は認められない。
アサインメント(課題):計10回程度のレポート課題が出される。
学期末試験:学期後半に詳細を提示する。
試験・課題に対するフィードバック方法
提出されたコメントペーパーやレポート、事前課題の内容については、授業内で解説します。
学生へのメッセージ
本科目の単位修得に際しては、学生生活における十分な努力・忍耐を要するといえます。しかしながら、そのような困難を通じてこそ、文献講読の基本的な技法や理解を身につけることが可能となり、と同時に、異なる言語や文化を背景とする他者への理解が深められます。そのような高い認識と自覚を有する学生諸君の受講を待っています。 
授業以外に事前の予習や事後の復習、課題やレポート作成など授業以外の学修時間が必要になりますので、計画的に学修を進めてください。
チャイムが鳴ってから20 分以上の遅刻は原則として欠席扱いとなります。遅刻3回で、欠席1回扱いとします。
第1回の授業でクラスのルールや課題について説明するので、必ず出席してください。
オフィスアワー
初回授業で、お知らせしますが、授業に関する質問窓口としてCoLSのフォーラムにて受け付けます。
教科書・参考書
教科書
なし
参考書
はじめての言語学  黒田龍之助 講談社現代新書